藤沢 人物風土記
公開日:2025.11.07
県所管内初の児童家庭支援センター「Shonanみその」のセンター長に就任した
野際 良介さん
遠藤在住 46歳
体育会系から福祉の道へ
○…善行で70年以上続く児童養護施設「聖園子供の家」で22年間、数多くの子どもたちと向き合ってきた。児童家庭支援センターで接する相手は、子どもの養育に不安や問題を抱えた親たちだ。一貫して大切にしていることは「子どもから学ぶ」姿勢。考え方や視点を本人たちから学び、支援に生かす。「子どもの生活しやすさが最優先」。社会で弱い立場にある存在を一番に守るという思いは、センター運営にも貫かれている。
○…高校はハンドボールで推薦入学、大学では強豪アメフト部に所属し全国レベルで活躍するスポーツマン。福祉に関わったことはなかったが興味はあった。「高校で箱根の施設のボランティアに参加しようしたが、体育会系だから選に漏れた」。その後も福祉とは無縁だったが、就活中に父の知人で心理士の女性から言われた「あなたは福祉が向いてるわよ」の言葉が人生を変えた。
○…「理由は分からないが、きついアメフト部で4年間活動した根性が認められたのかも」。女性の紹介で聖園子供の家を訪れると児童たちは「こっち来なよ」と語りかけてくれた。「当初施設に抱いていた感情は『かわいそう』だった。気がつくと1時間半遊んでいた。みんなずっと明るく元気。暗いイメージを勝手に持っていたことが恥ずかしかった」。子どもから初めて何かを学んだ瞬間だった。
○…「子育てに携わる我々が相談を受けることで、親御さんの悩みに寄り添うことができれば」。自身も3人の息子の父。「一般家庭でも施設でも、世の中で生きていけるように育てるのが大人の役目」。大学時代に膝を痛めてから激しい運動はできないが、「子どもと遊んでいるとつい夢中になってしまう」とほほ笑んだ。
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