鎌倉市は11月8日、市内小袋谷の「レイ・ウェル鎌倉」(勤労福祉会館)の利用を11月末で停止すると発表した。耐震診断により強度不足が明らかになったため。施設の今後について市は「できるだけ早く、解体も視野に入れた検討を進めたい」とする。
同施設は1974年に完成。1990年以降は、公募により決定した「レイ・ウェル鎌倉」の愛称が使用されている。
地下1階、地上5階建ての建物内には、412席のホールや会議室、和室、造形室などがあり、昨年度は約5万7千人が利用した。
同施設の耐震強度不足が明らかになったのは10月末。鎌倉市が今年度実施した耐震診断の結果、建設材料であるコンクリートが設計基準強度を大きく下回っており、耐震強度が不足していることが判明した。また目視による調査で、地震が発生した際には屋根の一部や建物前面のガラスが落下する危険性があることも分かったという。
報告を受けた鎌倉市では「補強等による建物の存続も困難で地震が発生すれば倒壊する可能性が高い」と判断し、11月いっぱいでの利用停止を決定した。今後については「周辺への影響も考慮しなくてはならない。できるだけ早く、解体も視野に入れて検討を進めたい」とする。
併設施設も休止
突然の利用停止に、関係者は対応に追われている。同施設には11月1カ月で約500件の利用申し込みがあり、現在は市産業振興課の職員が主催者に状況を説明している。11月中は希望があればイベント等の開催は可能で「今のところキャンセルした団体はない」という。ただ23日に予定されている技能者表彰式は式典後の祝賀会を中止するなど、内容を変更するイベントもある。
また館内に併設している大船子育て支援センターは11日で運営を停止した。鎌倉市ファミリーサポートセンターと鎌倉市休日急患歯科診療所については11月末で休止し、今後は代替施設で運営する方針だ。
ファミリーサポートセンターの運営を受託するNPO法人ふぁみりぃでは「今は市からの連絡を待っているところ。(代替施設が)レイ・ウェルから近く会員や利用者が訪れやすい場所になれば」と話した。
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