鎌倉市はこのほど、2014年の市海水浴場の健全化に関する方針を発表した。「クラブ化営業の禁止」や「刺青・タトゥーを露出した客の入店拒否」など、海の家の営業ルールを策定するとともに海水浴客のマナーアップを推進する条例の制定を目指す考えだ。
湘南地域の海水浴場では近年、海の家で大音量のダンスミュージックを流す「クラブ化」が進み、騒音による周辺環境の悪化や若者によるトラブルの多発が問題となっている。
鎌倉市には昨年、海水浴場の風紀や騒音などの苦情が31件(前年10件)寄せられたほか、傷害暴行、窃盗などの犯罪が15件(前年7件)発生した。
こうした状況を受け鎌倉市では、海水浴場の健全化の方策として条例制定の検討を開始。県・市の関係部署の職員や警察、自治会、海浜組合などで構成する検討部会を設置し、昨年10月から今年1月まで3回にわたり、話し合いを行った。
部会では「厳しい条例を制定し住民の生活環境を守るべき」とする意見が出される一方で「フラダンスやクラシックを含めた音楽イベントの全面禁止は厳しすぎる」「条例での規制はイメージが悪い」などの意見が出されたという。
さらに「表現の自由」に対する配慮や県が規制を検討していることから、市は、2014年は「海の家の新たな営業ルールの策定と進行管理」「海水浴客のマナーアップを推進する条例の制定」を柱とした取り組みを行うことを決めた。
具体的には、海の家の営業に関してクラブ化形態での営業禁止、刺青・タトゥーを露出した客の入店拒否といったルールを策定。市は利用者に対し迷惑行為を防止するための啓発活動や警備員の巡回を盛り込んだ「マナーアップ条例」を制定する。条例案を6月議会に上程する考えだ。
海水浴場の「健全化」を巡っては、藤沢市が昨年から片瀬西浜海岸で音楽を全面的に禁止、逗子市も音楽の禁止や飲酒、刺青の規制を盛り込んだ条例案を議会で審議している。鎌倉市が罰則などのない「理念条例」としたことで、市議会でも実効性を疑問視する意見が出されている。市は「行政、事業者、利用者、地域住民が一丸となって安全で快適な海水浴場を実現したい」としている。
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