腰越漁港 展望スペースも整備 改修工事が竣工
腰越漁港で行われていた改修工事が、このほど竣工した。漁業施設の老朽化や用地の狭隘化を受けて進められていたもので、新たな防砂堤には市民も利用できる展望スペースが設けられるなど、漁業振興とともに市民の憩いの場としても期待が高まっている。
腰越漁港では防波堤や漁業施設の多くが1950〜60年代に建てられ、漁船の大型化や漁業経営の変化に対応できなくなっていた。
そこで1998年11月、公募市民を含む検討委員会が発足した。同委員会では漁業振興を目的とした改修のあり方や環境、景観への影響について話し合われ、2000年に市に報告書を提出。市はこれをもとに01年8月、整備に関する基本計画を策定した。
改修工事は07年9月に着工。当初は12年度中に完成の予定だったが、天候の影響や補助金の減額などもあり、完成が遅れていた。総事業費は約20億円。
改修により既存漁港の南側約80m沖合に、160mに及ぶ新たな防波堤を築造。新設の防波堤と既存漁港の間の海域を一部埋め立てて漁業用地を確保するとともに、漁船が停泊できる施設を新たに整備した。
防波堤の整備で漁港内の静穏性が高まり、これまで荒天時には油壺湾まで避難していた漁船は、避難回数を大幅に少なくすることができるという。また浚渫(しゅんせつ)により水深を深くし、大型船も利用しやすくなった。
神戸川沿いの防砂堤を拡幅延長し、先端部に市民も利用できる展望スペースが設けられるなど、市民利用も促進する考え。
漁港内には荷捌き施設の用地を確保しており、今後は漁業者と直売所やレストランの開設も検討していくという。市産業振興課では「漁業振興だけでなく、市民に海や漁業への理解を深めてもらうとともに地域活性化の起爆剤としたい」とする。また腰越漁業協同組合の池田利男組合長は「市民のおかげで整備がかなった。市民の期待に応えるとともに、地域の特色を活かした新たな漁業を考えていきたい」と話している。
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