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鎌倉 トップニュース社会

公開日:2014.10.03

トレラン愛好家
「鎌倉ルール」の策定目指す
「全国初」の協議会発足

  • 協議会のメンバー(中央が滝川会長)

 森林や山地など未舗装の道を走るトレイルランニングの愛好家らがこのほど、「鎌倉トレイル協議会」(滝川次郎会長)を発足させた。市内のハイキングコースでは競技を楽しむ人が増える一方、ハイカーらとの衝突による事故や植生への影響を危惧する声が強まっている。ランナーのマナー向上や独自ルールの策定により、他の観光客との共存を目指す考えだ。

 豊かな自然と寺社仏閣などが作り出す独自の風景を求め、年間約40万人が訪れる鎌倉市内のハイキングコース。最近そのなかに目立つようになったのが、「トレイルランナー」の姿だ。

 市が今年のゴールデンウィークに行った調査では、1日に天園ハイキングコースを訪れた3520人のうち約2%の73人がトレイルランナーだった。

 しかし道幅が狭いハイキングコースを走るため、愛好家が増えるにつれ「後ろから追い抜かれると怖い」といった声が他の利用者から上がるようになった。またランナーが道を踏み固めたり、脇道に入ったりすることによる植生への影響も危惧されている。

 そのため2012年まで9回にわたり市内で行われ、毎回300人ほどが参加していたトレイルランの大会は、市と主催者団体が話し合い、昨年中止となった。以降は競技目的の大会は実施されていないという。

 今年2月に行われた市議会定例会では、ハイキングコースの清掃や整備に取り組む団体が、条例によるトレイルランの規制を求める陳情を提出。市議会で賛成多数により採択された。

市民から意見募集

 規制強化の動きを受け、愛好家ら9人が発足させたのが「鎌倉トレイル協議会」だ。「こうした団体はおそらく全国で初めてでは」という滝川会長。「トレイルランは危ない、というイメージが先行しており、競技を楽しむ我々自身が声を上げるべきだと思った」と設立の狙いを話す。

 今後は市内における実態調査やマナー向上に向けた啓発活動、マップの作成、市と協議の上、案内看板の設置などにも取り組む。

 さらに「挨拶をする」「坂道は弱者優先」「ごみは持ち帰る」といった基本的な理念のほか、「走らずハイキングを楽しむ」具体的な区間や期間を定めた鎌倉独自の「ガイダンス&ルール」の案を作成。今月いっぱい、市民から意見を募るという。滝川会長は「ルールの徹底やマナーの向上で、ハイカーや観光客など様々な人々との共存を目指したい」と話している。

 「ガイダンス&ルール」の資料は、パタゴニア鎌倉(小町)など市内4カ所で配布中。問い合わせは事務局【メール】infokamakuratrail@gmail.comへ。

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