神奈川フィルハーモニー管弦楽団と神奈川県の共催による音楽芸術体験事業「ゆめコンサート」が2月24日、市立富士塚小学校(飯田薫校長)で開催された。子どもたちはこの日、同楽団の演奏を間近で聴くとともに、打楽器や鍵盤ハーモニカ、リコーダーで共演。また児童らが作詞・作曲したオリジナルの合唱曲「みんなの富士塚小学校」を初めて披露した。
ゆめコンサートは「音楽への興味と理解を深めてもらいたい」と2005年度から、同楽団と県が開催しているもの。今年度は県内3つの小学校が選ばれた。
富士塚小学校では1月27日のワークショップを経て、2月24日に本公演が行われ、同楽団が歌劇「カルメン」前奏曲、アルルの女より「ファランドール」(ともにビゼー)などを演奏。また低学年の児童がカスタネットと鍵盤ハーモニカで「おもちゃの交響曲」(レオポルト・モーツァルト)を、高学年の児童はリコーダーで「ペルシャの市場にて」(ケテルビー)を、同楽団とともに演奏した。
児童が作詞作曲
クラシックの名曲と共に、この日初めて披露されたのが同校オリジナルの合唱曲「みんなの富士塚小学校」。
この曲は同公演が決まったことをきっかけに「オーケストラと一緒に歌いたい」と児童自身が制作を進めてきた。昨年11月、「歌作成実行委員会」が結成され、いずれも6年生の青木健太君、飯室祐太郎君、井上達也君、中村晴香さん、松尾大輝君が参加した。
委員会はまず、3〜6年生の児童を対象に「富士塚小学校のいいところ」をテーマにアンケートを実施。「学校から見える富士山」「玉縄桜」「児童同士の仲の良さ」「元気な挨拶」「夕陽に染まる校舎」「伝統ある校歌」などが挙がった。
こうして集まった言葉を委員会がまとめたうえで、音楽経験のある4〜6年生の児童が作曲を担当。最終的に4年生の長南百恵さんが作曲した曲が選ばれた。4歳からバイオリンを習っているものの、初めて作曲に挑んだ長南さん。「朝登校してから帰るまでをイメージしました」という。
楽譜が完成した1月中旬以降、練習を重ねてきた児童たち。本番では、プロの演奏に合わせて見事な歌声を響かせた。編曲を担当した神奈川フィルのホルン奏者・大橋晃一さんが「素晴らしい曲で素直に感動した」と話す美しい旋律と素朴な詩に、訪れた保護者が涙をぬぐう姿も見られた。
卒業を目前に完成した「第二の校歌」を歌い終えた実行委員の児童たちは「貴重な経験ができ、楽しかった小学校生活のいい思い出になった。これからも歌い続けてくれたらうれしい」と話していた。
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