大船駅西口のマンション計画跡地について、鎌倉市は3月27日、市議会全員協議会で「子ども・子育て支援事業」「市民活動支援機能」「交流機能」を持つ6施設からなる複合施設を建設する方針を明らかにした。市内で最も利用者数の多い大船駅に近いという立地の特性を最大限に生かしたい考えで、2017年度以降の着工を目指す。
複合施設が整備されるのはJR大船駅西口から約250m、岡本2丁目の約2500平方メートルの敷地。市は、一時預かり事業を含む認可保育所、病児・病後児保育、教育支援施設、ファミリーサポートセンター、市民活動センター、広場的空間・交流スペースの6施設からなる施設を整備する基本計画を、3月27日に行われた市議会全員協議会で明らかにした。
今後、基本設計などを行ったうえで、2017年度以降の工事着手を目指す。工事期間は約20カ月を見込んでおり、概算事業費は10・8億円。
マンション計画とん挫
この場所に地上9階地下3階建てのマンション計画が持ち上がったのが約10年前。計画が明らかになった当初から、周辺住民は大船観音寺の目の前であることや、土地の一部が市の条例に基づく緑地保全推進地区に指定されていたことなどから、景観保護や緑地保全を求める運動を展開していた。市は2005年3月に開発行為を許可したものの同年12月、県開発審査会が「接道要件を満たさない」としてこれを取り消す処分を決定。その後、建設業者は処分取り消しを求める裁判を起こしたが、横浜地裁、東京高裁でいずれも請求が棄却され、マンション計画はとん挫した。
こうした状況を受け土地を所有するセコムホームライフ(株)(東京都)は、市に対し「買い取り、あるいは借り入れ」を提案。市が買収等は困難だと表明すると、昨年9月に「地域に貢献できる形で役立てて」と約2500平方メートルの土地を現状のまま市に寄付する申し出があり、市は受納していた。
市道階段の早期復旧へ
また、計画跡地には市道大船駅岡本線から丘陵の上にある住宅につながる階段状の市道が設けられていたが、市の開発許可が出された際の工事で取り壊され、現在も復旧されていない状況が続いている。
地域住民らが訴えていた市道階段の早期復旧について市こどもみらい課は「施設整備に先行し、早期復旧を目指したい」とした。
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