鎌倉 トップニュース文化
公開日:2015.09.04
「つらいなら図書館へ」に共感広がる
ネットで拡散、全国的話題に
「死ぬほどつらいなら図書館へ」。8月26日に鎌倉市図書館がインターネット上で発信したメッセージが、人々の共感を集めている。9月2日時点でリツイート数は10万超。担当者は「これほど反響があったことにびっくり。家庭でも学校でもない図書館という居場所があるということを、この機会に知ってもらえれば」と話している。
「もうすぐ2学期。学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい。マンガもライトノベルもあるよ。一日いても誰も何も言わないよ。9月から学校へ行くくらいなら死んじゃおうと思ったら、逃げ場所に図書館も思い出してね」。
8月26日、鎌倉市図書館公式ツイッターアカウントがこんなツイート(=つぶやき)を発信すると、瞬く間にインターネット上で拡散。「嬉しい。僕の子どもの時に周りの大人がこういう事を言って欲しかった」「どうかこのツイートがたくさんの人に届きますように」「素敵なツイートですね!市民としてうれしいです」といったコメントが寄せられた。リツイートされた数は9月2日時点で10万超。行政機関による「つぶやき」としては異例の盛り上がりを見せ、全国的な話題となっている。
「当事者の声に寄り添う」をモットーに、日本で唯一の不登校・引きこもり専門誌として1998年に創刊した「不登校新聞」の石井志昂編集長は「子どもたちに避難場所と勇気を、大人たちにはどう対応すればよいかを示してくれた」と今回のツイートの意義を評価する。
ベテラン司書が発信
このツイートの主は同館に勤務して22年目になる司書の河合真帆さん(44)。
同館では3年ほど前からツイッターでの情報発信を始め、複数の職員が交代で「つぶやき」を担当。河合さんも普段は、主に担当する郷土資料に関するツイートをしている。
河合さんが今回の投稿をしたきっかけは、「夏休み明けの9月1日に、子どもの自殺が1番多い」という報道を目にしたことだったという。そこで思い出したのが家庭と学校だけでない、第3の居場所としての図書館の役割を訴える2000年頃に紹介されたアメリカの図書館啓発ポスター。「司書の間では有名で、その内容を自分なりに表現しました」とツイートに込めた思いを話す。
同館のもとにはその直後から、新聞やテレビなどの取材が殺到し電話やメールなども多く寄せられているという。
河合さんは反響について「とにかくびっくり。ただ、図書館には知恵や発見がたくさん詰まっているので、悩んでいたり苦しい時の居場所として、心に留めておいてもらえれば」と話した。
「見守る姿勢共有」
一方、今回のツイートに関しては、「不登校や自殺を助長するのでは」といった意見も出た。
市教育委員会教育部の八神陽介次長は「保護者と学校、図書館、教育委員会が足並みをそろえて子どもたちに手を差し伸べ、見守っていきたい」と、子どもの居場所づくりや不登校に一体となって対応することを強調する。
市立小中学校ではこれまでも、夏休み明けの子どもの様子に応じて個別面談やアンケートを実施しているほか、不登校の子どものための教育支援教室「ひだまり」も開設しており、相談を受け付けている。問い合わせは市教育部教育センター【電話】0467・24・3386へ。
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