鎌倉市は東日本大震災の教訓を生かして津波対策の見直しを進めている。このほど、沿岸エリアで地区別の避難計画を策定。1日には、津波の到来をシュミレーションした動画をホームページに公開した。
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市は2011年以降、「津波に強いまちづくり」に取り組む。これまでに地域防災計画を見直したほか、津波避難ビル31カ所を指定。避難先を示す路面シートを179カ所に、夜間でも光る蓄光型の避難看板を坂ノ下に設置するなど、ハード、ソフト両面の取り組みを続けている。
14年度には「津波避難計画」を策定。15年度はこれに基づき、地区別の避難計画作りが進められた。
今年1月と3月には、腰越から材木座までを3エリアにわけ、地域住民らが参加するワークショップを開催。最新の知見をもとに、最短8分での津波到来を想定し、「どうすれば時間内に浸水域から出られるか」を話し合った。住民は地図と照らし合わせながら「ここに一時避難場所を設けては」「この場所には門があり、普段は鍵がかかっているはず」「観光客の避難誘導はどうする」などの意見が出された。
市総合防災課では3月末に地区別計画を策定。「今後は皆さんからいただいた意見を生かし、避難路に手すりを設けるなど地域の実情にあった対策を進めていきたい」としている。
「避難考える契機に」
また1日には「津波シミュレーション動画」が市ホームページで公開された。
動画は約14分で、由比ガ浜など実際の風景に津波のコンピューターグラフィックを合成させている。こうした動画を作成したのは県内の自治体では初。DVDも作成し、町内会などに貸し出す予定という。
松尾崇市長は「津波の到来がよりイメージしやすくなっている。日頃から避難について考えるきっかけになれば」と期待を寄せた。
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