第33回神奈川工業技術開発大賞の受賞企業がこのほど発表され、市内岩瀬のミハル通信株式会社(二ノ宮隆夫代表取締役社長)が大賞を受賞した。同社はケーブルテレビ放送の送信状況をチェックする装置の大幅な小型化に成功。二ノ宮社長は「賞をもらうのは初めてだが、ずっとケーブルテレビに関わってきた成果を認められてうれしい」と話す。
神奈川工業技術開発大賞は、県内の中堅・中小企業が開発した優れた技術・製品を表彰するため、県と神奈川新聞社の共催で1984年から毎年実施されているもの。今回は33件の応募があり、大賞2件、ビジネス賞2件、奨励賞3件が選ばれた。10月18日には県庁で表彰式が行われた。
コスト10分の1に
同社はテレビジョン放送開始直後の1955年に創業。当初からテレビの難視聴地域における共同受信施設向けの機器を製造しており、現在はケーブルテレビ局用の設備や機器を主力製品とする。
今回、受賞の理由となったのが、ケーブルテレビの映像・音声の送信状況を監視する装置の小型化に成功したことだ。
これまで、ケーブルテレビ局では放送中のチャンネル全てをモニターに映し出し、目視によって異常の有無をチェックしてきた。しかし多チャンネル化により200近い番組を同時に放送する局もあり、監視体制の負担増が大きな課題となっていた。
そこで同社では、「監視体制の省スペース化」を図ろうと、新商品開発のためのプロジェクトチームを2011年に発足。約3年をかけて、送受信した信号に異常がないかを、自動で監視するシステムの開発に成功した。
このシステムでは地デジ、BS、CS、FMなどの各信号に対応するチューナーを内蔵。画像等を解析し、障害原因の特定も可能となった。しかも装置の大きさはブルーレイレコーダー1台分程度に。これまで放送中の番組を映し出すためにロッカー数台分を必要としていたため、大幅な省スペースとなり、さらにコストも10分の1以下に下げることに成功した。
二ノ宮社長は「今回の受賞は大変うれしい。今後も全国のケーブルテレビ放送を支える製品を、世に送りだしていきたい」と語っている。
鎌倉版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|