文化庁文化審議会文化財分科会が3月10日に開催され、市内から市立御成小学校旧講堂、市吉屋信子記念館の主屋と同門及び塀、吉岡家住宅主屋の4件が国登録有形文化財(建造物)に登録される見通しとなった。これで市内の登録有形文化財は26件となった。
御成小旧講堂
鎌倉市立御成小学校旧講堂(御成町625の3)は1933年建設。
木造平屋建て、入母屋造、棟の上に搭屋をツインタワー形式で設けている。戦前から残る市内小学校の唯一の遺構。洋風建築の要素と、和風建築の要素が両方見られる点が特徴で、同小学校周辺地域の景観の象徴として貴重な建物とされた。一般公開は行なっていない。
市は96年、御成小校舎改築計画に関する報告書に講堂を「修復保存して利用する」と明記。98年には詳細調査を実施していたが、その後は活用方法が定まらず、同小学校の「物置」となっていた。
昨年7月、松尾崇市長は「同施設を学校施設として保存・活用する」と発表。設計や工事に関する「策定委員会」を開催するのと同時に、登録への手続きを進めていた。
吉屋信子記念館
鎌倉市吉屋信子記念館主屋と同館門及び塀(長谷1の194の21)は1962年建設。小説家吉屋信子の自邸として62年、建築家の吉田五十八の手によって既存建物を移築、増築された。
和風要素を巧みに取り入れた吉田による数寄屋住宅の特徴をよく示しており、家具、照明といった調度品や門と塀も合わせて設計されたことなどが評価された。
同施設は春と秋に一般公開を行っている。4月の毎週土曜日と5月と6月の毎週土曜、日曜と1日〜3日。ゴールデンウィーク期間。午前10時から午後4時まで。予約は不要。
吉岡家住宅
吉岡家住宅主屋(由比ガ浜1丁目、非公開)は1930年に建設。ラジオ商のキング商会の別館として建てられた。当時は、現存しない本館が店舗と住居として使用され、この建物はショールームとして使われていたという。
玄関廻りの装飾、建物主要部の造作、ステンドグラスや各種型板ガラスといった一般住宅にはない多種多様な意匠が特徴。由比ヶ浜地区における戦前の洋風建築の意匠や技術、材料等を伝えるものとして、評価された。
問い合わせは【電話】0467・61・3857市文化財課へ。
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