9月30日夜から10月1日未明にかけて関東地方を通過し、各地に大雨や強風をもたらした台風24号。鎌倉市内では50m近い瞬間風速が観測されるなど、特に強風による倒木や屋根等の飛散が多発。県内の建造物としては唯一国宝に指定される円覚寺舎利殿の庇の一部が破損するなど、文化財にも被害が出た。
台風の接近に伴い鎌倉市は9月30日午後1時、市立小学校16校に自主避難所と災害コールセンターを開設した。
その後、午後5時には災害対策本部を設置。避難所には9施設に41人が身を寄せたという。
降り始め(9月29日)からの総雨量は鎌倉地域で42・0mm、大船地域で54・0mmに上り、最大瞬間風速は鎌倉地域で1日午前1時32分に49・9mを、大船地域は1日午前0時21分に39・0mを記録した。
市が1日午後2時の時点でまとめたところでは、人的被害はなかったものの市内各所で倒木46件、屋根などの飛散50件、極楽寺、津、長谷で崖崩れや落石計4件が発生し、最大約5200軒が停電した。
文化財にも被害
台風による被害は、文化財にも及んだ。市文化財課によると1日午前8時、円覚寺から「明け方に木が倒れた音が聞こえ、舎利殿の一部が破損している」との連絡があった。
職員が現場に駆け付けたところ、舎利殿の裏の崖が崩れ、倒れた木が裳階(もこし)と呼ばれる庇を直撃し、一部が折れ下がっているのを確認した。
円覚寺舎利殿には「佛(ぶつ)牙舎利(げしゃり)」という釈迦の歯が祀られ、建造物としては県内で唯一、国宝にも指定されている。今後国の調査等を経て、修復方法を検討するという。
そのほか、県指定文化財の光明寺山門でも瓦10数枚が強風で落ちるなどの被害が確認された。
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