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健康管理に必要な生活習慣コラム【7】 咳の原因は「逆流性食道炎」? 取材協力/柳川クリニック 柳川健院長
Q・52歳女性です。ここ数カ月、空咳が続いています。先日雑誌に「逆流性食道炎」が原因で、慢性的な咳や喘息になることがあると書いてありました。食道の病気で咳が出ることがあるのでしょうか?
A・逆流性食道炎は胃酸が食道に逆流することにより食道に炎症が起こる病気です。
胸焼けや胸痛という食道炎による症状のほかに、喉の炎症や咳、喘息、歯の腐食(酸蝕症(さんしょくしょう))などの原因になることから、正式には「胃食道逆流症」と呼ばれています。消化液である胃酸が食道に逆流し、さらには喉、口から気管支にも入ることにより、さまざまな症状をきたす病気です。ゲップをした時に酸っぱいものが口まで上がってきた経験があるかと思いますが、あれがまさに胃食道逆流の状態であり、その状態が繰り返し起こると「胃食道逆流症」となります。30歳から60歳代の方に多く、女性の方がなりやすいと言われています。
原因は、胃酸の量が多いわけではなく、食道と胃の境目にある筋肉が緩むことによって起こることが多いのです。その筋肉は、ある種の薬剤(降圧剤や心臓の薬、喘息治療薬、勃起不全治療薬、閉経後のホルモン補充療法など)の使用、脂っぽい食物などで緩みやすくなります。また、肥満や妊娠、炭酸飲料摂取などでお腹の圧力が高くなることでも「胃食道逆流症」になりやすくなります。
質問者の頑固な咳が、この「胃食道逆流症」によるものと疑う場合には、胃酸を強力に抑える薬を1カ月くらい使ってみます。症状が改善するようであれば、胃酸逆流が原因と考えられますので、食道下部の筋肉を緩めるような薬剤の使用の有無、生活習慣の内容、体重増加などを検討し、可能な限り酸抑制薬を使わなくとも症状が出ないような対策を専門医と相談すべきかと思います。
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