鎌倉市内で自転車の盗難が急増している。特に前年の同じ時期と比べて11件の増加となった鎌倉署管内の被害が顕著な状況だ。その背景には、無施錠のまま自転車を離れることが多い鎌倉市民独特の気質もありそうだ。
鎌倉署管内では2009年から13年まで、年間100件を超える自転車盗が発生していた。
近年は徐々に減少し、17年は47件となったが、18年は60件と再び増加に転じた。今年は5月27日までの時点で、前年同時期と比べて11件増の32件となった。
こうした事態を受け、同署では対策を強化。自治会での防犯講話などを通じ施錠を呼びかけているほか、鎌倉駅周辺の駐輪場を警察官が巡回。利用者への声かけや注意を呼びかけるビラを配布し、鍵がない人にはその場でチェーン錠を渡すなどの対策を行っている。ただ現状では効果は限定的という。
また「鎌倉ならではの事情」を指摘する声も。同署生活安全課の担当者は「駐輪場で点検すると10台に1台から2台は施錠されていない。県内の他の地域と比べてもかなり多い印象だ」と話す。
実際、今年も無施錠の自転車の盗難が約8割を占める。スーパーやコンビニ等に買い物に来た際に施錠せずに自転車を離れ、そのすきに盗まれるケースのほか、自宅敷地内からの盗難も13件となっている。
同署員は「鎌倉は県内でも犯罪の発生件数が少ない地域。そうした『体感治安』の良さが影響しているのかもしれない」とした上で「自宅や監視員がいる駐輪場であっても、施錠されていない自転車は盗まれる可能性が高くなる。手間を惜しまず施錠の徹底、できればダブルロックを」と注意を呼びかけている。
また大船署管内での自転車盗は前年比3件増の29件。やはり駐輪場や路上駐輪での盗難が多く、同署では「場所にかかわらず鍵とチェーン錠を併用した施錠をしてほしい」と話している。
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