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変わりゆく谷戸の姿記録 「今昔探索の会」が冊子に

文化

掲載号:2019年6月28日号

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新冊子を手に笑顔の原山幹事(後列中央)とメンバーら
新冊子を手に笑顔の原山幹事(後列中央)とメンバーら

 メンバー自らが歩いて、地域の地理・歴史を調査している「鎌倉の今昔探索の会」がこのほど、市内にある谷戸についてまとめた「(続)鎌倉谷戸の記録」を完成させた。メンバー5人が10年の月日をかけ、上巻・下巻、各250ページにわたる冊子に谷戸の歴史や名称の由来などを記した。

 シニアが生きがいのある生活を送ることなどを目的に、25年前に発足した団体「湘南鎌倉生涯現役の会」の分科会である同会。メンバーは月1回2〜3時間、市内各地を歩いて調査し、その結果を5年単位で冊子にする活動を行っている。

大船・腰越などに焦点

 三方の山に囲まれている鎌倉の地形。その丘陵地にはひだのように入り組んだ「谷戸」が多くあり、その地形を生かしながら、寺社や屋敷が造成されるなど、古くから人々が生活を営んできた。

 「形をとどめながら変貌を遂げてきた谷戸の姿を後世に伝えたい」と同会は2008年、旧市内57カ所の谷戸について書いた「鎌倉谷戸の記録」を作成。今回完成した新冊子はその続編で、前回紹介しなかった大船・玉縄・深沢・腰越の調査結果をまとめたものだ。

 同会幹事で写真家の原山正征さん(79)を中心とし、10年前に冊子製作をスタート。メンバー全員で各谷戸に足を運び、地域住民に「昔、何か建物が立っていたか」「谷戸の名称の由来は」など話を聞き、現地を写真撮影。その後、鎌倉中央図書館近代史資料室スタッフの指導のもと、古文書などと照らし合わせながら資料を作成していった。

「100年後も残る資料に」

 メンバーが出会った人に話しかける姿に不審者扱いされたり、当時16人いたメンバーが高齢化で次々に退会していくなど、順調に進む予定だった調査は難航。それでも原山幹事は「ある寺の住職から『あなた方の活動は現代の吾妻鏡』と言われた。協力者の厚意やこれまで活動に携わってきたメンバーの思いを受け継ぐためにもやり遂げなければ」と、予定期間の倍の10年かけ、全500ページの大作を何とか完成させた。

 冊子には、各谷戸を訪れた時の記録や写真、昭和20年代と現在の地図・航空写真の比較を掲載。そのほか、「大工谷」という名称は大慶寺(寺分)などを修復した大工が多く住んでいたことや、「道手谷」には横須賀海軍工廠(旧国鉄工場)が造った地下工場があったことなどが綴られている。

 鎌倉好きが高じて5年前に同会に入会した岡部美千代さん(57・川崎市在住)は「鎌倉を知らない人が見て歩くのに便利なガイドブック。ロマンを感じる」と魅力を語る。原山幹事は「100年後も伝え続けられる資料になれば」と話している。

 新冊子は7月18日(木)、鎌倉中央図書館で贈呈式が行われた後、市内各図書館に全7セット(上下巻)が寄贈される予定。

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