JR鎌倉駅の新駅長 依田 恵美さん 48歳
ワクワクが止まらない
○…ひとつの希望が叶った。「いずれ鎌倉駅長をやりたいと思っていたので、すごくうれしい。ワクワクする」。1月1日に着任した新駅長の声は弾む。鎌倉観光の玄関口・JR鎌倉駅。折しも、着任とともに大河ドラマ『鎌倉殿の13人』も始まり、観光客誘致と地域活性へひと汗かくつもりだ。
○…海老名市で育った。近所を駆けまわり、「わんぱくで、いたずらっ子でしたね」と苦笑する。部活ではバレーボールやバドミントンといったスポーツに力を注いだ。高校卒業後は観光の専門学校へ進み、JR東日本に就職。国内外の旅行を扱う「びゅうプラザ」の店頭で働き、34歳から駅の業務に就いた。
○…JR社員として最も過酷で、かつ最も誇りを感じたのが東日本大震災時。横浜駅に勤務していた2011年3月11日は、いつものように朝9時までに出社。電車は止まり、駅に溢れかえった帰宅困難者への対応は夜通し続いた。仕事がひと段落して自宅に戻ったのは、震災発生から3日後の夜だった。「電車が動かないのは困るという声が多数寄せられた一方で、いつも運行してくれてありがとうという感謝の気持ちも頂いた。人の生活に関係するやりがいのある仕事です」。川崎駅の副駅長を経て、鎌倉で初の駅長となった。
○…自宅は葉山町。休日は登山に出かけたり、韓国ドラマを視聴したり。オススメの作品は『梨泰院(イテウォン)クラス』という。鎌倉は自宅に近かったこともあり、愛着はある。ただし、知らないことがまだまだある。鎌倉駅の同僚たちに伝えたいのが、「せっかく日本有数の観光地の駅を担当できているのだから、街を知って、楽しんでほしい」と。もちろん、当の本人も存分に満喫するつもりだ。