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公開日:2022.07.08
ウクライナ避難者に職場
地元旅館が従業員で雇用
由比ガ浜で70年続く旅館「かいひん荘鎌倉」が、今春にウクライナから避難してきたビクトリアさん(47)に働く場を提供している。6月上旬からパートとして雇用。皿洗いや清掃業務を担い、1カ月が経過したビクトリアさんは、「少しずつ慣れてきた。楽しいです」と笑顔を見せる。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受け今年4月、鎌倉市内で茶道教室を開く西川勝さん(78)との縁で、ビクトリアさんは息子とともに政府専用機で日本へ。西川さんは、かつてロシアなどの旧共産圏で茶道を広める活動をしており、ビクトリアさんは孫弟子にあたる。
来日後、西川さんが親子のために鎌倉市内のアパートを手配。息子は市内の中学校に通い始めた。長引く戦争によって日本での滞在が続く中、西川さんと旧知の仲だったかいひん荘が従業員としての受け入れを申し出た。
「ウクライナが心配だが、私は息子を養うために働かなければならない。うれしかった」。そう話すビクトリアさんは、6月からかいひん荘での仕事をスタート。週に2〜3回、午前中に勤務し、主に宿泊客の朝食後の皿洗いや、チェックアウト後の客室の清掃などに汗を流す。
言葉の壁は翻訳アプリで
日本国内でウクライナ避難民の就業支援が進む中、言葉が大きな壁となる。かいひん荘では、ウクライナ語を理解できるスタッフはいないため、スマートフォンの翻訳アプリを介してビクトリアさんとコミュニケーションを図っている。また、日本語の習得にも積極的なビクトリアさん。身振り手振りを交え、慣れない日本語での会話にも努めている。
一緒に働く女性従業員は、「習得が早く一生懸命。私たちにできることは、働きやすい環境を作ってあげること」と言い、井上靖章社長(56)も「戦争が続き、母国に残る夫たち家族とも離れ離れ。職場提供による経済的支援もそうだが、日本の人たちと触れ合うことで少しでも気晴らしになれば」と話す。
ビクトリアさん親子をウクライナから日本へ導いた西川さんは、「鎌倉で皆さんが支えてくれていることに感謝しかない。引き続きできることがあればしてあげたい」と語る。
鎌倉市によると、これまでに4人のウクライナ人が市内に避難してきている。
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