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鎌倉 社会

公開日:2022.09.16

スキンヘッドモデルKARENさん
闘病中も「人生カラフルに」
資生堂が“化粧の力”で後押し

  • 友人のカメラマン・カワチアキヒトさんが撮影した記念の1枚

  • 青木さん(右)にメイクアドバイスを受けるKARENさん

 鎌倉市在住のKARENさんがこの夏、化粧品メーカー「資生堂」のメイクカウンセリング施設を訪れた。一時は沈んだ心を化粧によって蘇らせ、苦しむ人々の希望の光になろうとしている。

 昨年7月、KARENさんは病に倒れた。心臓は悪化し、声は出ず、一時は寝たきりに。髪の毛も抜け始め、髪と眉、まつ毛がなくなった。「肌や爪もボロボロ。その姿に自分は動揺し、周りの人も私を見て驚いていた」。元ダンサーとして周囲の視線に気を遣ってきたKARENさんは、闘病生活を送る傍ら、インターネットで外見のケアについて調べ出す。

外見ケアで癒される心

 『脱毛症』『眉毛がない』などのキーワードで検索し、偶然たどり着いたのが「資生堂 ライフクオリティービューティーセンター」だった。資生堂は1956年、戦禍で火傷を負った人に向けたカバー専用のファンデーションをはじめ、肌の悩みに対応した商品開発や研究を重ねてきた。そして2006年には、あざや白斑、傷跡、がん治療の副作用による外見上の変化に対応する専門のカウンセリング施設を開設した。

 KARENさんは現状を打ち明け、今年2月にオンラインでメイクカウンセリングを受けた。「鏡を見るのが楽しくなった。やっぱりメイクっていいな」。病を憂う夫や子に見せる表情も、この頃には少しずつ明るくなっていた。

 病によって一変した生活。それでも前を向き闘病、さらには育児に奮闘するKARENさん。7月には都内にある資生堂の施設を訪れ、メイクアドバイスを直接受けることが実現する。

 メイクアドバイスを担当したのは、06年の施設立ち上げ時から多くの患者に対応してきた資生堂メイクアップコンサルタントの青木和香恵さん。KARENさんが自身で眉を描けるようにサポートした。前進しようとする友人を撮影するため、KARENさんのダンサー時代の旧友のカメラマン・カワチアキヒトさんとHiKaRuさんも集結。通常はメイクアドバイスのみだが、資生堂美容室の協力もあってヘアメイクアップアーティストの神宮司芳子さんが医療用ウィッグを用いてヘアアレンジ。KARENさんが自身で用意した衣装に身を包み、記念の1枚が記録された=左写真。

追求する自分らしさ

 KARENさんは、「闘病中だからこそ、色とりどりの人生を歩みたい。外見ケアによって元気に見えることが家族や周りの人たちを安心させ、私らしさも出せる」。脱毛症によって生まれた”スキンヘッドモデル”の活動の幅も広がりつつある。「私の姿を見て少しでも勇気を持ってもらえれば」。追い求める自分らしさの先に、闘病を支えてくれる人と社会への恩返しが待っている。

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