市内山ノ内で10月29日、60年に1度の「円覚寺洪鐘弁天大祭(洪鐘祭(おおがねまつり))」が開催された。2020年に予定していた洪鐘祭は、新型コロナの影響で延期となり、3年越しに実現。触れ太鼓を先頭に、地元住民や子どもたちによる神輿や囃子が続き、約300mの行列がまちを練り歩いた。
円覚寺にある国宝の梵鐘「洪鐘」に由来する洪鐘祭。鎌倉幕府9代執権の北条貞時が、洪鐘の鋳造に成功したことを祝い、約700年前から60年に1回の頻度で神事と仏事が行われてきた。
今回の洪鐘祭は、洪鐘を模した張り子を載せて建長寺から小袋谷交差点と、折り返して円覚寺までのルートで移動。付近の道路は3時間に渡って車両通行止めとし、囃子や神輿など約300mに及ぶ行列を形成した。
北鎌倉駅周辺には、60年に1度の祭礼を一目見ようと、人垣ができるほどの見物客が訪れた。藤沢市から訪れた70代女性は「もう二度と見ることができないと思うと感無量」と話し、市内在住の60代夫婦は「洪鐘の張り子が本物そっくりで驚いた。こんなににぎやかな北鎌倉は初めて」と喜んだ。
近年の洪鐘祭は延期が続き、1901年と1965年に開催記録が残る。今回も2020年に予定するも、新型コロナにより3年遅れでの開催。関本利男実行委員長は、「60年後には参加できないと思い、この日を楽しみにしていた。たくさんの方々の協力で開催できた」と感謝した。
次回の主役たちも
行列には、地元の子どもたちが作った洪鐘の張り子や神輿も登場。子どもたちが今年4月から制作した張り子は、和紙などを重ね合わせ、実寸と同じ高さ約2・5mの大作が完成。小学4年生の森花梛さんは、「ドレスを着ながら行列できて楽しかった。60年後もまた参加したい」と話した。
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