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公開日:2023.12.15

腰越中で50年目の継走
校外を力走、住民も応援

  • チームは男女混合、クラスメイトと襷をつなぐ生徒たち

 腰越中学校の生徒たちが襷(たすき)をつなぎ、地域を駆ける「腰中駅伝」。学校の伝統行事として、腰越地域の12月の風物詩として9日、節目となる50回目の記念大会が開催された。大会では、校外の周回コースを力走する中学生に対し、沿道の保護者や近隣住民から温かい声援や拍手が送られた。

 個人で走るマラソンではなく、生徒たちがチームを作って襷をつなぐ駅伝。1974年、腰越中に体育教師として着任した金井勝政さん(79)が、校内行事として駅伝大会を企画した。

 大学時代に3度の箱根駅伝を経験した金井さんは、「駅伝のすばらしさを感じた。友を信じて襷をつなぎ、受け取った人は責任を果たし、苦しみに耐える」。人生においても、まわりと助け合い、苦難を乗り越えていってほしいと、金井さんは中学生に伝えたかったという。

 それから半世紀。荒天で1回、新型コロナウイルスによる2020年を除き、駅伝大会は毎年12月に開催されてきた。

 1チーム男女合わせ7人、各クラス3チームを編成。1学年3クラスのため3学年で27チーム、さらに特別支援学級が駅伝大会に出場。学校をスタート・ゴール地点とし、ランナーは校外へ飛び出して住宅街を抜け、湘南モノレール「片瀬山駅」を通過して戻ってくる。男子は2Km、女子は1・8Kmのコースを1周し、中継所となる校庭で襷を渡す。

中学生「みんなで協力するのがいい」

 走り終えた上村小波さん(2年)は、「きつかったけれど、みんなが応援してくれたのでいつも以上に頑張ることができた。駅伝はみんなで協力するところがいい」と笑みを浮かべた。1位でゴールした2年3組Aチームのアンカー・宗村航さんも、「友情が深まり、絆が生まれる。みんなが1つになれたと思う」と振り返った。

 50回記念大会の今回は、特別に卒業生チームも参戦し、大会を盛り上げた。また、メンバーに選ばれなかった生徒たちは、駅伝終了後に揃ってコースを1周した。

 最後まで沿道から声援を送った80代夫婦は、これまでに3人の子どもや孫も出走。「この駅伝をずっと見て来て、12月の楽しみになっている」と頬を緩めた。学校では地域住民が豚汁を作り、生徒たちに振る舞った。

 今年の記念大会であいさつに立った発起人の金井さんは、うれしそうにこう語る。「中学生が懸命に走っている姿が見られてよかった。60回、70回と続いていくといいですね」

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