インタビューに応える松尾市長
２０２４年の年頭企画として実施した松尾崇市長へのインタビュー。市役所本庁舎の深沢地区移転について掲載した元旦号に続き、今回はこの１年で注力していくこと、さらにはごみ問題などの取り組みについて話を聞いた。
――２０２４年、注力していく取り組みを教えてください。
今年は引き続き、市民の安全で安心な暮らしを守るためのまちづくりに取り組むとともに、「こどもまんなか社会」の実現を目指します。
――具体的にはどんな施策を考えていますか。
生まれてから切れ目のない支援です。障がいや医療的ケアを有する子どものニーズへの対応、学びの多様化学校や校内フリースペースの整備といった子育て・子育ち支援の他、策定作業を進める「（仮称）ケアラー支援条例」に基づき、世代を問わずサポートが必要なケアラーへの支援をしていきます。
――新型コロナウイルスが５類に移行し、鎌倉の街がにぎわうようになりました。
新型コロナにより、中止や一部開催を余儀なくされてきた地域の伝統行事、イベントが開催できたことは大変うれしく思います。国内外からの観光客も戻りつつあり、街がにぎわいを取り戻してきました。一方で、多くの観光客に鎌倉を訪れていただいていることで、特定の場所、時間で混雑した状況も見られます。
――特に鎌倉高校前駅付近の踏切は、多くの観光客が訪れるようになりました。
観光客が増えたことに伴い、昨年は警備員を増員、警察車両の配備で安全面を強化しましたが、根本的な解決にはつながっていません。トラブルが発生した時の原因がつかめるように、踏切付近に監視カメラの設置を検討しています。
――物価高騰にはどのように対応しますか？
社会福祉施設や医療機関、農業・漁業従事者、交通事業者などに対し、光熱費や食料費の高騰に対応した補助を行っています。また、物価高騰の影響が給食の質に影響しないよう、給食食材に対する補助も実施しています。市民生活への影響が最小限となるように、できる限りの対応を進めていきます。
持続可能なごみ収集へ
――名越クリーンセンターが２０２５年に稼働停止します。今後のごみ処理についての取り組みを教えてください。
２０２０〜29年度の10年間で、年間約３万トンある燃やすごみを１万トンまで削減することを目指しています。事業系可燃ごみについては、既に資源化を実施していますが、家庭系生ごみや使用済み紙おむつの資源化も進めたうえで、逗子市の既存焼却施設を中心に処理します。
現在、逗子市と焼却処理の協議をしながら、不測の事態に備えて民間事業者とのバックアップ体制を構築しています。名越クリーンセンターは稼働停止後に解体し、その跡地に市で排出された可燃ごみを大型車両に積み替えて、処理施設に運搬するための中継施設を新設する予定です。中継施設は28年度中の稼働を目指しており、安定的かつ適正なごみ処理を推進していきます。
――戸別収集は導入しますか？
市内の一部地区で実施した戸別収集のモデル事業から７年が経ち、高齢化やライフスタイルの多様化により、実施を望む声を聞いています。昨年は戸別収集担当を設置し、実施目的や実施方法の見直しを行いました。今年はさらなる市民理解の醸成を図りつつ、市民の意見を踏まえた戸別収集の進め方について方針を確定し、将来にわたって持続可能な収集体制の早期実現につなげていきたいと考えています。
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