腰越中学校で2月2日、校歌の歌詞を記した「校歌額」の引き渡し式が行われ、校舎内の廊下に掲出した。完成した校歌額は、縦2m、横3mの全589マス。生徒会が中心となり、マスは全校生徒と教職員、保護者、卒業生らに1枚ずつ割り当てられ、彫刻刀を使いながら1文字ずつ彫り上げた。
学校の体育館などによく飾られている校歌額だが、これまで腰越中には設置されていなかった。
制作のきっかけとなったのは、新型コロナの影響で蓄えられていたPTA予算。校歌額の設置を熱望していた生徒会のメンバーがPTAの保護者を前にプレゼンテーションを行い、制作に向けて動き出した。
制作の中心となったのは美術科の飯田哲教諭。校歌額の図面を作成し、下部には七里ガ浜や腰越から見える風景を添えた。生徒会のメンバーが、全589マスの担当者を決め、「鎌」や「腰」など彫るのが難しい文字を3年生に割り当てるなど工夫も凝らした。昨年12月に全校で彫刻作業の時間を1時間設け、マスを完成させた。
生徒会の森藤花香さん(3年)は、「新型コロナの影響で校歌を歌う機会が少なかったので、卒業式に間に合ったのはうれしい」と喜んだ。
地元の力を結集
牛見誠人校長が、「地域に支えられている学校」と話すように、校歌額の作成は、卒業生や地元企業などの協力によって実現した。
神奈川県産の木材を使ったマスを用意したのは横浜刑務所で、地元の竹内工務所が施工を担当。また、腰越中OBでPTAの安齊邦彦さん(安齊石工店)は、あらゆる場面で手を差し伸べ、費用も工面した。
さらに、校歌額の設置場所は体育館を予定していたが、壁が薄かったため危険と判断し校舎内に変更。それを聞いた刺繍加工を手掛ける鎌倉たじみやの田二見健さんが、体育館に掲出できる布の校歌額の制作を新たに始めた。PTAの福重由貴子副会長は、「大人になった時に、校歌額を頑張って作ったことを思い出してくれたらうれしい」と微笑んだ。
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