県藤沢土木事務所からボランティア表彰を受けた 木本 圭一さん 東海岸南在住 72歳
「私みたいなのが増えれば」
○…海岸沿いのサイクリングロードに溜まる堆砂を除去する活動で、このほど県藤沢土木事務所から表彰を受けた。平成22年度受賞の中で唯一の個人受賞。「1人ボランティアで人知れずやってきた活動。突然の出来事でびっくりしました。でも誰かが見ていてくれたんだから本当に光栄なことですね」と大切そうに賞状を眺める。
○…「今日も朝5時過ぎから行ってきたよ」と笑うこの日課。茅ヶ崎公園野球場の南側から1kmほどのエリアの砂を、朝昼夕と繰り返しトンボ(T型の整地用具)で掃き出す。「自分の暮らす地域をとにかくきれいにしたい、道の砂を除いて散歩やジョギングする人に気持ちよく通ってもらいたいと思ったことがきっかけです」。いつ頃始めた活動かは本人も覚えていないという。
○…三重県伊勢市の生まれ。一般企業に勤め、異動に伴い22歳の時に湘南へ移り住んだ。「もっと人に尽くせる仕事に就きたい」と、24歳で神奈川県警へ身を転じた。30歳から退職間際まで鉄砲道沿いの東海岸駐在所に勤務。“駐在さん”として地域に親しまれた。現在は妻、娘と3人暮らし。近所には嫁いだ長女もいるので、頻繁に遊びに来る孫との交流も楽しみの一つ。「小2の孫が友達を連れてくる時はもう賑やか過ぎて大変ですよ」。たまに叱る時だけかつての警察官に戻るというがその表情は実に穏やかだ。
○…除砂活動は駐在所にいた時から続けてきたこと。地元の人やサーファーとの交流も今まで続けられた理由の一つだという。「家族も口では反対していますが、見守ってくれていることも感謝しています」と照れた表情を覗かせる。これからのことを尋ねると「私みたいなのが増えていけば、茅ヶ崎の海沿いがもっときれいになると思う。自分はいつまでも現役で、体力の続く限り海に通いたい」。今回の表彰がさらなる決意に変わった。
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