JR茅ヶ崎駅の新駅長に着任した 市川 清一さん 足柄上郡松田町在住 53歳
2度目の駅で新たな決意
○…「第一に考えているのは、お客様の安全です」。JR茅ヶ崎駅第12代目駅長として社員や駅改良工事に注意喚起を行い、利用者の安全確保に務める。毎日12万人近い乗降客がある同駅の他、北茅ヶ崎駅・香川駅・寒川駅・宮山駅・倉見駅の相模線5駅を管理する。
○…生まれは松田町。小中と地元の学校に通い平塚農業高校園芸科に進学。卒業後は警備会社に勤務した後国鉄の入社試験を受け、見事合格した。「園芸の話で盛り上がったから入れたのかな」と冗談を交えて話す。駅初勤務は茅ヶ崎駅「びゅうプラザ」窓口。その年はまさに「JR東日本」になった27年前のことだ。茅ヶ崎を「学生時代にも来ていた場所。えぼし岩がかっこよくて昔から好きなんですよ」。そう語る明るい笑顔に人柄がうかがえる。
○…10年間勤務した当時と比べ「今はだいぶ景観が変わりました。駅長職を通し、また知っていこうと思う」と新たに茅ヶ崎愛を育てていく考えだ。「あの頃まだ息子は小さかったです。一緒の時間を少しでも過ごそうと、休みにはサッカーの応援に行ったり、審判の資格まで取って試合に参加しました」と振り返る優しい父親だ。2人の息子はすでに独立。現在は上司の誘いで始めたゴルフやジョギングで汗を流す。大好きな幕末時代の縁の土地を訪れて休日を過ごすのも楽しみの一つだ。
○…駅長としての責務に対して「若い社員が自ら提案し、アクティブに仕事ができる。そんな環境を作らなければならない」とそれまでの柔らかい印象から一変し、真剣な面持ちで話す。JRの経営理念の一つに地域密着がある。イベントなどで地域と触れ合う機会を増やしていく大切さを語り「子どもたちが駅の仕事を知り『将来の夢は駅員さん』と言ってもらえるのが理想」と思いを込める。「歴代駅長に比べ、自分はまだまだです」と謙遜するが、その眼はやる気に満ちた熱意が感じられた。
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