日本初開催の「レッドブル・エアレース2015」で会場のMCを務める MCアリーさん 東海岸南在住 42歳
「三方良し」が流儀
○…幕張で5月16日(土)、17日(日)に開催される世界最速の飛行機レースの祭典。その来場者数は10万人にのぼる。「MC(司会進行役)歴16年の中でも初めての規模。ただ3千人でも10万人でも大事なのは会場の一体感をどう作るかだから」。やるべきことは変わらないと優しく目を細める。
○…生まれは兵庫県。小さい頃から野球、サッカーなどスポーツが好きだった。「今思うとボールを壁当てしながら実況の真似事をしてたなぁ。それが今のルーツかも」と往時に思いを馳せる。18歳で始めたスノーボードはプロを目指す程熱を上げた。「日本の冬が終われば海外に行って。とにかく1年中滑っていました」
○…道半ばで潰えた夢―。「自分に何ができるか」を模索していた時、勤めていた会社で企画したスケートボード競技のMCがこの職業と出合う転機になった。「先輩に押し付けられた仕事だったけど、自分に合っていた」。満たされる自分を感じたことを今も憶えている。
○…茅ヶ崎は6年前に大阪から移り住んだ。昨年末に息子が生まれ、家族3人とペットと暮らす。家でゆっくりできる時間は少なく、可愛い息子とのふれあいの場は風呂に入れる時。「休みの日課。もはやお風呂のおじさんと思われてるね」。目尻を下げる父親の顔から優しさが滲む。
○…年間約50の催しに足を運び、その準備にも余念はない。「選手は日々トレーニングしている。だからMCも準備をしなきゃ」。競技知識のほか、たとえ100を超す出場選手でも顔や名前を憶えるというから驚きだ。「近江商人の『三方良し』という言葉があって。僕が考える三方は選手、観客、スタッフ。3つを繋ぐMCでありたい」。自身の仕事に加え、「スポーツMC」の地位確立の為、後進の育成にも奔走する日々。今後の夢を「東京オリンピックで会場を沸かせてみたい」と話すMC界の開拓者は、今日もどこかの会場を沸かそうとマイクを握り続ける。
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