タウンニュース茅ヶ崎編集室では、2022年の年頭にあたり恒例の市長インタビューを行った。佐藤光市長は新型コロナウイルス対応に追われた1年間を振り返るとともに、ワクチンの3回目接種に向けた準備やアフターコロナを見据えた地域の魅力発信策について語り「回復の1年にする」とした。(聞き手は本紙副編集長、井方照雄)
体調について
――まず市長ご自身の体調について伺います。昨年10月に「人間ドックにおいて消化器系の器官に腫瘍が発見され、切除のために入院する」と発表しました。
「11月11日に入院し、内視鏡による手術を受けました。手術は1時間足らずで終わり、20日には退院。29日から公務に復帰しました。術後の経過も順調です」
新型コロナ対応
――昨年も新型コロナウイルス対応に翻弄された1年だったと思います。これまでの取り組みを教えてください。
「特に大きいものは、ワクチン接種が始まったことです。医師会の協力で集団と個別、両方の接種体制を整えることができました。当時の河野ワクチン担当大臣からも力添えをいただいて、比較的円滑に進めることができたと思います。10月には寒川町民も茅ヶ崎で打てるようにしましたし、平塚市にワクチン約2000回分を提供することもできました。非常時ですから、お互いさまの精神で、自治体間の連携もできたと思います」
――夏には「第5波」と呼ばれる感染拡大がありました。
「現在でこそ落ち着いてきていますが、茅ヶ崎保健所管内でも、1日の感染判明が150件という時もありましたから、現場は大変な思いをしたと思います。市立病院でも、当初は数名と想定していましたが、ピーク時には相当数を受け入れて対応しました」
――ワクチンの3回目接種の準備は。
「まずは医療従事者、その後は65歳以上の方を対象に順次進めていきます。現役世代で移動の機会も多い65歳以下の方もなるべく早期にと思っていますし、3回目については当初から寒川町民の方も茅ヶ崎で集団接種ができるようにする予定です。寒川にお住まいで茅ヶ崎で仕事をされている方は多いので、わざわざ寒川まで戻って接種するのではなくて茅ヶ崎で接種出来る体制を整えたいと思います」
――コロナ禍の影響を受ける地域の中小事業者への支援策は。
「特に影響が大きい飲食店支援の一つとして市役所の一角にキッチンカーを呼んでいますけれども、県の営業許可の緩和などもあり、藤沢や小田原のお店が茅ヶ崎に来たり、逆に茅ヶ崎のお店が他市に出店したり、相互交流をしています。お互い切磋琢磨していいものを出してほしいですね。独自の地域活性化策も検討が必要と考えています」
「コロナ後」も選ばれ続けたい魅力発信策など語る 財政健全化
――茅ヶ崎市は一昨年3月に「財政健全化緊急対策」を発表し、2022年度までの3カ年をかけて財政改革に取り組んでいます。現状を教えてください。
「今の状況は泣きっ面に蜂、さらにアブが来たようなもので職員には本当に苦労をかけています。乾いた雑巾を絞って絞って、これ以上絞ると切れます、というくらい軒並み予算をカットしています。市民の皆さんには迷惑をかけましたけれども、次年度は戻せるところから少しずつ戻していきます」
中学校給食
――市長が目標として掲げてきた中学校給食の導入について、現状を教えてください。
「どういう方式にするか、2022年度には決めていかないといけないな、と思っています。とにかくできるだけ早く、美味しい給食を提供したいですね」
魅力発信策
――茅ヶ崎市では人口増加が続いています。改めて地域の魅力はどこにあると考えますか。
「コロナになる前ですけれども30代、40代の市民と意見交換する場がありましたが、そこにいた多くが移住してきた人でした。聞くと東京に住んでいた時は、となりに住んでいる人の顔も分からないと。それが茅ヶ崎に来たらあいさつも交わすし、地域で子どもを見守ってくれる環境があると。そうした若い人を受け入れる土壌があって、子育ての場所としても選んでもらっているのだと思います。あとは、いまテレワークが普及していますから、茅ヶ崎も本社機能を移してくれた企業への補助金を用意しています。茅ヶ崎に本社を構える会社が増えれば、雇用も増える。そうした好循環を生みたいですね」
――魅力発信のための取り組みは。
「昨年4月から、タウンニュースさんと市で協働運営しているWebマガジン『#ちがすき』がありますが、先日『日本地域情報コンテンツ大賞』のWeb部門で読者投票1位になったと聞き、本当にうれしく思います。地域の魅力を発信し続けてくれたからこそ、いろいろな人に選んでもらえたと思います」
――今後も選ばれ続けるため必要なことは。
「今はコロナ禍ですので、東京を離れて郊外に、という流れがありますが、これがずっと続くかは分からない。相手は大東京ですから、茅ヶ崎だけで勝てるかといったら、それは難しい。藤沢市や平塚市など近隣の市町とも連携して魅力を発信していきたいと思います。アフターコロナといわれる時代になってもやっぱりここだな、と思ってもらえるように今から着手していないといけないですね」
――2022年のキャッチフレーズを書いていただきました。
「回復(RESILIENCE)としました。これは茅ヶ崎市出身の宇宙飛行士、野口聡一さんが搭乗した宇宙船の名前でもありますが、コロナ禍で前が見えない時、夜空を見上げて野口さんが今そこにいるんだと思うとちょっと前向きに思えたんですね。今度は私たちが職員と力を合わせて、コロナ禍からの回復を達成するために頑張らないといけない。この2年間イベントもほとんどできませんでしたが、やり方はあると思います。今の時代に合った第一歩を踏み出したいですね」
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