茅ヶ崎・寒川 スポーツ
公開日:2023.11.03
「運動後30分以内に食事を」
サッカークラブの取り組み話題
「栄養摂取のゴールデンタイム」と言われる運動後30分以内にしっかりと食事を摂ることで、子どもたちの身体づくりにつなげよう―。地域のサッカークラブが飲食店とタッグを組み、10月からスタートさせたこんな取り組みが、注目を集めている。
「カルペソール湘南」は堤にあるグラウンドを主な拠点として活動するサッカークラブ。セレクションを経たアカデミーのジュニアユース(中学1〜3年生)には約90人が所属する。
午後8時半過ぎ、練習を終えた選手たちがクラブハウスに集まり、弁当を食べ始めた。たっぷりの白米にトンカツ、コロッケなど「ガッツリ系」のメニューだ。
同クラブが弁当の提供を始めたのは10月から。栄養の摂取率が高く、筋肉の形成にもつながる運動後30分の「ゴールデンタイム」に、食事を摂ってもらうことが狙いだ。
クラブで事務局長を務める遠藤陽輔さんは「これまでもプロテインやサプリメントを提供したことはあったが、食事で栄養を摂ることが大切なのではと考えてきた」という。また、自宅まで1時間以上かかる選手たちも多く「帰宅後の10時や11時に食事をすることになると、睡眠時間や質にも影響することが気になっていた」と話す。
地元店が弁当提供
こうした思いに応えたのが元町で「串揚げ三平」を営む芦野勇さんだった。小学5年生で腎臓の障害が判明し、中学2年生から透析を受ける芦野さん。20歳を過ぎた頃には脊椎の病気も判明したが、そうしたハンデを乗り越え2018年には念願だった自分の店をオープンさせた。
これまで病気と戦う力となったのが「小さいころから大好き」というスポーツ。昨年は水泳のマスターズ大会にも出場した。クラブの考えを聞き「子どもたちのためになるなら」と利益度外視で弁当を作っている。
弁当の提供は週1回、中学1年生(U13)に限っており、7人が頼んでいる。選手からは「どのメニューも美味しい。もっと身体を大きくしたいので、たくさん食べたい」といった声があがるほか「両親が仕事で夜遅くなることもあるので『食べてから帰ってもらえると助かる』と言っていた」という意見も。
遠藤さんは「今後、選手にどのような変化があるのか楽しみ。子どもたちには食事や自分の身体への意識を高めてもらいたい。ゆくゆくは食育にもつなげていけたら」と話している。
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