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茅ヶ崎・寒川 人物風土記

公開日:2024.03.22

(公財)かながわ海岸美化財団の代表理事を務める
松浦 治美さん
藤沢市在住 66歳

思いひとつに海をキレイに

 ○…バブル期、神奈川の海のイメージは「汚い」が第1位。汚名を返上しようと1991年、横須賀市走水海岸から湯河原町湯河原海岸まで、約150キロメートルの海岸の美化を目的に「かながわ海岸美化財団」が誕生した。主な活動は独自の海岸清掃に加え、ボランティアで取り組む人たちの支援。コロナ禍で縮小したボランティア活動も回復基調。3月3日には辻堂でウェブとリアル、同時の交流会を開催した。「これまで関わってくれた人の思いを大切に、人と人をつないで活動を拡大させたい」と意気込む。

 ○…代表就任は6年前。それ以前は県職員として、環境に配慮した国際基準ISOの取得促進や太陽光発電、電気自動車の普及など、県の施策推進に腕を振るった。大切にしたのが「人との縁」。代表となった今も、さまざまな会合に出席して自ら活動をアピールし、多くの企業からの支援を得てきた。「出会いを大切にしてくださる人に生かされている」と感謝を口にする。

 ○…藤沢で生まれ育った。幼い頃から海が好きで「普段は仕事で忙しい父とも一緒に過ごせた。家族の思い出の場ですね」と振り返る。学生時代は、物思いにふけったり、本を読んだりとリセットの場だったが、高校時代は別。入部したフェンシング部の基礎体力づくりが「海岸」だったからだ。「女子一人でも、容赦ない練習は辛かった」と苦笑する。

 ○…今後の展望について「5年、10年、長期的な見通しが必要」と表情を引き締める。人手不足や、物資の高騰といった社会課題は同団体にものしかかる。だが悲観はしていない。「海をキレイにしたい、という思いは一つ。自治体、企業、市民が協力して実現していきたい」

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