茅ヶ崎市民文化会館で5月6日、初のホール公演を行う 黒木 ちひろさん 茅ヶ崎市内在住
故郷に届ける「自分だけの音楽」
○…シンガーソングライターとして独特の歌詞と歌声で注目を集める。5月6日には生まれ育った茅ヶ崎で自身初となるホールライブを開催する。普段はギターやピアノでの弾き語りも多いが、ストリングスなども取り入れる予定。「照明などにもこだわって、特別な時間を演出します。多くの人に見に来てもらえたら」とほほ笑む。
○…中学生の頃、学校に行けなくなった。「どん底にいるように」感じていた時、たまたま耳にしたのが鬼束ちひろさんの歌。「自分の苦しみを分かってくれている、とすごい衝撃を受けて」歌うことを意識した。高校生になっても不安定な日々は続き「いっそ死んでしまいたい」と考えたことも。それがある日「どうせ死ぬならやりたいこと(音楽)をやってやる」に転換した。独学で作曲を覚えネットに上げていると、都内のライブハウスなどから出演依頼が増えていった。
○…「歌で生きるという覚悟を決めたかった」と5年前、「2024年に『Zepp』(国内有数のライブハウス)でワンマンライブをする」という目標を立てた。直後にコロナ禍となりライブ活動がストップするなど苦労したが、配信などにも力を入れ、実現に向けてまい進する。
○…今回の公演タイトルは波打ち際を意味する「汀(みぎわ)」。実は自身も茅ヶ崎の海に救われた経験があるという。活動を始めて数年、心身のバランスを崩し活動休止を余儀なくされた。医師の診断は双極性障害。「一生付き合っていくしかないと言われ絶望した」。自然と足が向かったのが海。「ただ涙を流せる場所があったから、また前を向けた」。苦しみも糧にして「多くの居場所とチャンスをくれた」という故郷に、いま届けられる最高の音楽を響かせる。
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