サザンオールスターズの茅ヶ崎ライブを前に、熱が上がる茅ヶ崎。３カ月連続新曲配信リリースの第１弾として７月に発表された『盆ギリ恋歌』に、「サザンビーチでナンパするならヨシオんとこ（夏倶楽部）でｓｈｏｗ!!」と歌われているのが、サザンビーチちがさき海水浴場にある海の家「夏倶楽部」だ。経営する（株）大久保工務店（茅ヶ崎市東海岸北）の大久保義雄社長に話を聞いた。

桑田さんの意向で

　大久保社長は、サザンの桑田佳祐さんと、小中学校の同級生で、野球部でともに白球を追いかけ汗を流した仲だ。大久保社長が湘南祭を前に、サザンビーチを整地していた際に電話が鳴った。「今レコーディング中でさ、名前使わせてよ」。詳細は明かさなかったが、桑田さんからの依頼を快諾した。

　すると、数日後には事務所からミュージックビデオ出演のオファー。一度は断ったものの「桑田さんからたっての希望で」との一言に、「セリフ無し」を条件に出演を決めた。

　撮影は６月末に川崎市のスタジオで行われた。２つの大きなセットに、メンバーのほか１００人近くの関係者が撮影所に集まっていた。そんな中でも桑田さんとは、孫の話で盛り上がったそうだ。「地獄の夏倶楽部でみんなべろべろに酔っぱらっている設定らしい。雑談していてもカメラが回るとみんなスイッチが入るんだ」と振り返る。「芸能界は凄い。まさか歌詞にもなり出演するとは。貴重な経験をさせてもらった。俺の葬式ではビデオを流してもらうんだ」と豪快に笑った。

聖地巡礼全国から

　盆ギリ恋歌が発表されると、あちこちから連絡があったそう。夏倶楽部には、大分や大阪など全国からファンが訪れており、「写真撮影をお願いされる」と苦笑い。なお、今のところ店内でナンパしているのは見ていないそう。

　例年、夏の間は妻と夏倶楽部を経営し、秋のサザンのツアーに夫婦で行くのを楽しみにしているという大久保社長。名曲の数々に「茅ヶ崎」や「えぼし岩」などのフレーズが登場することに触れ、「地元や仲間を大切にしてくれている。茅ヶ崎が好きなんだ。そんな人柄だから長くスターでいられるのでは。市民みんな喜んでいるよ」と目を細め、「60代後半になっても、アイツが頑張っているから俺も頑張れるし勇気をもらえるんだ」と話した。