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かながわブランドに「湘南梨」 県内では58品目が登録

社会

公開:2017年9月21日

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湘南梨を手にする(左から)伊藤さん、齋藤さん、横山さん
湘南梨を手にする(左から)伊藤さん、齋藤さん、横山さん

 市内で生産する「湘南梨」が、県やJAなどで構成される「かながわブランド振興協議会」から、「かながわブランド」に認定された。JA湘南や生産者は、新たな「ブランド梨」として一層の消費拡大を目指したい考えだ。

 同ブランドは、県内の農林水産物や加工品に対し、安全性や高品質を保証する制度。県内では8月28日現在、58品目がかながわブランドに登録されている。

 「湘南梨」は市内産の梨の総称を指す。市内では横山果樹園(上吉沢、【電話】58・2914)、齋藤農園(東真土、【電話】55・4974)、伊藤苑(東真土、【電話】55・1821)の3園が生産。8月上旬から9月中旬まで出荷され、3園によると、今年度分の生産は終了しているという。

甘さの秘訣は「土」にあり たい肥や魚粉などを使用

 湘南梨を生産する3園は約180a(アール)の土地で、きめ細かい食感が特徴の「幸水」や甘味の中に酸味のある「豊水」などを育成。今年は長雨の影響で生育が遅れていたが例年通り良い品質の梨を生産し、約32tを庭先の直売所や「あさつゆ広場」(寺田縄)などに出荷してきた。

 3園によると、湘南梨の糖度や食味は土壌づくりに左右されるという。3園は、通常植物の育成に必要な窒素肥料ではなく、完熟たい肥や米ぬか、魚粉などの有機質肥料を使用。横山果樹園2代目の横山篤正さん(39)は「たい肥を多く使用することで、甘く、食味が濃くなるのです」と土づくりの大切さを説明する。

 また、熟した状態で収穫するため、新鮮な状態で販売されるのも湘南梨の特徴だ。伊藤苑2代目の伊藤隆夫さん(65)は「他地域は輸送のために早い段階で摘み取りを行うが、湘南梨は庭先販売がメイン。その日に採れた新鮮な梨を提供できるのも強みです」と、地の利を生かした販売方法に自信をのぞかせる。

 来年分の出荷に向け、齋藤農園3代目の齋藤晴尚さん(52)は「子供から大人まで、多くの世代に食べてもらえるよう、一番良い状態の梨を家庭に提供したい」とにっこり。平塚産の梨を知らない人が多いことを受け、「味や品質向上の努力を続けて、まずは市内の多くの人に食べてもらいたい。味の良さも、今後は県内外に向けてPR活動ができれば」と意欲を示していた。

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