平塚市の友好都市・岐阜県高山市の畜産農家から平塚八幡宮(宅野順彦宮司)に奉納された神馬(しんめ)「皐月」が暮らす神厩舎がこのほど完成し、8日に竣工式が開かれた。神社関係者らおよそ30人が見守るなか、皐月はおがくずが敷かれた真新しい厩舎へ「入り初め」した。
今から900年前に平塚八幡宮の御分霊が祀られたとされる高山市の櫻ヶ岡八幡神社に隣接する牧場で昨年5月に誕生した白い雌のポニーが皐月。牧場で畜産業を営み、八幡神社の総代だった男性から奉納の申し出があり、昨年11月に八幡宮で神馬奉納奉告祭が執り行われた。
神厩舎の建設は神馬奉納に合わせて始まる予定だったが、台風19号の影響で遅れ、昨年末からの着工に。施工を手がけた有限会社簑島建築(大井町)では作業を急ピッチで進め、竣工式2日前の引き渡しとなった。
竣工式では神事の後、皐月が神厩舎に初めて足を踏み入れた。大勢の人にカメラを向けられるなか、皐月はおがくずの上で寝転んだり、飛び跳ねたりしてうれしそうな様子をみせた。関係者からは「かわいい」「こっち向いて」といった声が上がり、境内は冷たい雨が降るなか、和やかな雰囲気に包まれた。
建設にあたり同社の簑島健太郎代表(42)は、高山市の牧場に足を運び皐月が暮らしていたころの様子を聞き取るなどして神厩舎を設計した。
神社の景観と調和するようヒノキをふんだんに取り入れ、神社の御神木も活用。皐月が暮らす空間は体格に合わせ、およそ3坪にした。入り初めを見届けた簑島代表は「のびのびとした姿が見られほっとしています。うれしいの一言」と胸をなでおろしていた。
宅野宮司は取材に対し「皐月がいつまでも元気でいられるよう、皆様も心の中で祈っていただきたい」と話していた。
今後、皐月は午前10時〜午後3時の間は神厩舎で暮らし、その様子は一般の参拝者も見ることができる。
|
|
|
<PR>
平塚版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|