9月3日付で平塚警察署の第68代署長に着任した 鎌田(かまだ) 耕造さん 市内在住 57歳
母の遺志 職務に注ぐ
○…新型コロナ感染拡大をうけ、着任直後の訓示はおよそ30人の幹部のみを集めて行った。「世のため人のために働いてほしい。市民の期待に応えてほしい」。そしてこう加えた。「コロナ禍にあってご苦労様です。健康にはどうか十分注意してください」。初めての赴任先となった平塚警察署は、およそ350人の大所帯。署員に対しては、親心に似た思いをもって接している。
○…秋田県岩城町(現・由利本荘市)の農家に生まれた。金足農業高校を卒業後は農家の道も考えたが「港町・横浜へのあこがれが当時強くてね」と上京。神奈川県警の採用試験を受けた。「危険な仕事だ」と親族からは反対にあったが、今は亡き母だけは「世のため人のため、立派に勤めなさい」と背中を押してくれた。以来、母がかけてくれた言葉は自身の座右の銘になった。
○…これまで、地域課や交通課、警備課、刑事課などでオールラウンドに活躍し、2015年には松田警察署長も務めた。平塚市内の官舎に暮らして間もなく1カ月。「道は広くて平坦な所が多い。宿場町の名残もありながら、大型商業施設など生活の利便性も高いですね」と、新生活にも満足した様子だ。だからこそ「住みよい平塚の安心、安全を署員一丸で守らないと。『世のため人のため』を合言葉に職務を遂行します」
○…趣味は野球観戦とサイクリング。母校の金足農業が、2018年夏の甲子園で準優勝した時は「心から誇らしかった」と胸を張る。今はゆっくり休暇を過ごす余裕はないというが「いつか時間ができたら、平塚市内を自転車でまわり、平塚球場にも立ち寄ってみたいですね」とにっこり。地域防犯の新たな舵取り役は、穏やかな人柄で使命感に満ちていた。
|
|
|
<PR>
|
|
|
|
|
|