障害者就労施設の職員として衛生管理手法HACCPの認証取得に尽力した 米山 健二さん しんわルネッサンス勤務 48歳
社会の多様性に尽力
○…県農業技術センターの力を借りながら、1千頁を超える独自の衛生管理マニュアルを作成。知的障害のある20人の利用者が働く製造現場では、自作の衛生管理チェックテストを皆に実施した。誤答箇所は何度も何度も根気よく解説するなど苦節3年あまり。その先に待っていたのが、HACCP(ハサップ)の認証取得だ。障害者就労の現場が成し遂げた快挙に「うれしいですね」。大きな達成感は胸にしまい、静かに喜びを語る。
○…秦野市に生まれた。幼いころから運動が大好きで小学生になると少年野球を始めた。「打つ」「投げる」より適性があったのが「走る」。市内のマラソン大会でも活躍し、気が付けば学年上位5人に入る「韋駄天」となり、これが胸中の自信を育んでいった。転機はある日の体育の時間。大好きな授業の開始を体育館で待っていると、知的障害のある児童が授業を受けに来た。
○…「人間には障害の有無ではなく、個性の差があるだけ」。必要に応じて互いを支え合い、多様性を認める社会の在り方を次第に考えるようになり、秦野高校を卒業後は福祉の道を志した。専門学校で学んだ後、社会福祉法人進和学園(本部/平塚市万田)に就職。今は上吉沢の就労支援施設「しんわルネッサンス」でグループリーダーとして障害のある人たちと共に、ジュースやジャム作りに励む。
○…多忙な毎日にあって、仕事帰りに立ち寄る渋沢の銭湯は密かな癒しの場。「すっきりするんです」とサウナ好きの一面も。HACCPの認証期間は1年。今後の抱負を尋ねると「これからも認証取得していけるよう、現場の衛生管理の質を向上していきます」と宣言した。これからも、より多様性のある社会にむけ尽力していく。
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