単にハンドルを握るだけじゃない。安全で確実な運送で取引先の信頼を勝ち取っているのが、神奈川県平塚市下島に拠点を構える「菱大（ひしだい）ローリー株式会社」だ。

　ケミカル溶剤や自動車塗料といった特殊な液体貨物の輸送を専門としている。同社の福富康貴代表取締役社長は、「スタッフ全員が深い知識を持ち、安全性を最優先にしながら質の高い運送に努めている」と話す。

気候変化や様々な道路状況にスムーズに対応

　天候や道路状況が運送に与える影響は大きい。しかし、同社は「最新の運転支援システムを装備したローリー車」を使用し、突然の気候変化や様々な道路状況に対応しながら荷物を丁寧に取り扱えるよう努めている。

　運送中に発生する可能性がある問題を事前に予測して対策することも、スムーズな対応につながっている。

　同社のドライバーは、定期的な安全講習を受講。日々、たゆまぬ努力で技術の向上を目指している姿勢も評価されている点だ。

ドライバーとのコミュニケーションで効率的な配車

　同社で配車を担当するのは、元ドライバーの佐藤譲所長だ。「配車はルールがない分、テクニックが必要。売上やドライバーの給料に大きく関わるのでとても大事な仕事。ドライバーと日頃からコミュニケーションをとることで、それぞれの性格をふまえて考えることができる」と大きな責任を抱えて仕事に臨む。

　また、無駄のない配車をすることで、取引先からの依頼を断らずに済むだけでなく、ドライバーの労働環境の改善に直結するという。

危険物を運ぶ責任と誇り

　この道28年、事務所の仕事を行いながら運行にも出ている鈴木哲男さん（54）は、「ガソリンスタンドを経営していた父親の影響で、学生の頃からトラックの運転手に憧れていた。特にタンクローリーがかっこいいと感じていた」と笑顔で話し、「スピードが遅く、迷惑がられることもあるけれど、背中に爆弾（危険物）を積んでいるという誇りを持って走っている」と力を込める。

　早起きは慣れたという鈴木さんは、朝３時に起きるという。「妻が昼用の弁当を毎日作ってくれるのでありがたい」と照れくさそうに話した。

新しい仲間募集

　同社は、男女問わず活躍できる職場環境が整備されている。未経験者に対しても手厚い研修を提供し、専門知識と必要な資格の取得を支援。活気ある職場で、安全と品質を共に追求する意欲ある人材を心待ちにしている。