平塚・大磯・二宮・中井 社会
公開日:2026.03.06
“あの日”から15年
3.11が今に伝えること
2011年3月11日午後2時46分に発生した東日本大震災。震源地に近い東北地方だけでなく、首都圏である神奈川県内も多大な影響を受け、未曽有の大災害となった。震災を知らない世代が増えるなか、かつての「教訓」は今、どのように私たちのまちに根付いているのか。15年という節目に、「あの日」から変わったまちと暮らしに焦点を当てる。
約6Kmにわたって海岸線が続く大磯町では、東日本大震災発生直後の夏に行った訓練に約3000人が参加。大磯小学校の体育館が満員になるなど、「次、津波被害に遭うのは私たちかもしれない」という切実な危機感が表れた。
大磯町危機管理課の担当者は、「3・11前も大磯港の防潮堤の門扉を閉じるなどの訓練は実施していたが、震災後は避難が長期化することも視野に入れた訓練になった」と話す。
全町民を対象に行ってきた津波避難訓練は現在、山側に暮らす町民の声を受け、土砂災害も含めた訓練となっている。そのほか、町内会、自主防災組織、民生委員、学校関係者、医師会などが年3回の「大磯防災ミーティング」を実施。懸念点などを出し合うことで町主動から地域主動の訓練へと変化してきた。
昨年7月、ロシア・カムチャツカ半島の沖合で起きた巨大地震の影響で、太平洋沿岸の広い地域に津波警報が発令された際には、大磯町にも避難指示が発令された。
被害はなかったものの、高台などに移動する町民の避難行動も多く見られ、町担当者は「これまでの訓練の一定の成果が見られた」と振り返る。
個包装ではない大容量缶に入った備蓄食品の配布方法や、観光客への周知も含めた情報発信の方法に改善すべき点もあったといい、「検討すべきことがより具体になった。今後も町民の皆さんと一体となって災害対策に取り組みたい」と話していた。
津波避難タワーなど変化した まちの景色
3・11をきっかけに変化したのは意識だけではない。海岸に設置された津波避難施設など、まちの景色そのものも様子を変えた。
大磯町では2017年7月、北浜海岸に津波避難タワーが、平塚市では2020年9月、湘南ひらつかビーチパークに津波避難展望台が設置された。どちらも平時の時から地域住民に親しんでもらえるようにと、平塚の津波展望台には屋根とベンチを設置しているほか、大磯の津波避難タワーはイベント開催時などにステージとしても活用。海岸にある施設の一つとして利用されている。
15年という月日を経て、かつての教訓は今、具体的な設備や制度として地域の風景に組み込まれている。
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