今シーズンから選手会長に就任した 山口 貴弘さん 湘南ベルマーレ所属 26歳
胸に秘めた熱い闘志
○…「副会長を務めていたので、何となくですよ」。照れ臭そうな言葉とは裏腹、雲の上の存在だったという高校時代の先輩で、前選手会長を務めた田村雄三さんの意思を引き継ごうと自分から率先して名乗り出た。開幕戦を間近に控え、自身の呼びかけで選手全員を集めた決起集会では、「チームとしてまとまりを持って、Ｊ１へ上がろう」と、長丁場を戦い抜くため一層の団結力を求めた。「新加入選手も早くからチームに馴染み、雰囲気はとても良い」。自信に満ちた表情を浮かべた。
○…高校サッカー界の名門・帝京高校卒業後、早稲田大学へ入学。幼少期からの夢だったプロを意識する一方で、「ダメだったら就職」という考えの進学だった。しかしプロ入りを目指す他の選手と切磋琢磨する日々の中で、”甘え”を払拭、サッカーだけに打ち込んだ。持ち前の負けん気の強さとパワー溢れるプレーがスカウトの目に留まり、プロへの道をこじ開けた。現在、ベルマーレ入団５年目を迎える。
○…昨年11月に誕生した愛娘に話がおよぶと、それまでの表情は一変、目尻を下げた。自己採点によると80点という父親ぶりのようで、家庭ではお風呂係を担当。「毎日楽しみでしょうがない」と溺愛ぶりを匂わせた。オフシーズンには、家事と育児を切り盛りする夫人の姿に心を打たれ、「家族の分まで頑張ろう」と、今シーズンに寄せる意気込みは人一倍熱い。
○…「アイツはスーパー」と一目置く、同じポジションのストヤノフ（前所属／サンフレッチェ広島）が加入したファジアーノ岡山との6日の開幕戦では勝利をおさめた。しかし、開幕戦は「38分の１であって、それ以上でもそれ以下でもない」と語る。「どんな試合であってもムラなく、常に自分たちのベストを尽くしたい」という短い言葉に込めた闘志に、今シーズンの飛躍を期待せずにはいられない。
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