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大磯・二宮・中井 人物風土記

公開日:2015.05.08

日本人選手として初めてパドルボードの世界大会に出場する
西山 俊さん
二宮町山西在住 26歳

志は高く、海のように広く

 ○…ライフセービングの数々の実績を買われ、日本サーフィン連盟から白羽の矢が立った。メキシコで5月10日から開催されるスタンドアップパドル・パドルボード世界選手権大会(国際サーフィン連盟主催)に出場する。ボードに腹這いになったり、両膝を立てたりして腕で水をかく、パドルボード部門への出場は日本人初。「海外にはトップ選手として活躍するライフセーバーもいる。日本のライフセーバーの力を世界で試すチャンス」と意気込む。 ○…二宮町の梅沢海岸そばで生まれ育った。水泳を始めたのは3歳。両親が喘息のある息子をスイミング教室へ通わせた。「気づいたら競泳に一生懸命だった」。東海大学でライフセービングクラブに所属。「練習を積み、速く強くなる。人助けにもつながる」。そんな実感がライフセービングにのめり込ませた。学生選手権や全日本大会で優勝、準優勝を幾つも重ね、2010年から3回連続で隔年開催の世界大会へ出場した。

 ○…卒業後は消防士に。しかし、ライフセービングを極めたいと退職。それが文化として根づいている先進国オーストラリアで半年間研修した。豪州ではライフセーバーのほかに、職業としてのライフガードが存在するという。「海に関する安全教育が小学校のカリキュラムにあり、オーストラリア人の水難事故は少ない」と話す。現在は、公務員だった父が渡米後に興した貿易の仕事を共にしながら、トレーニングに励む。親譲りの独立独歩の精神は「血ですかね」。「事故を起こしたり、死んでしまったりしては元も子もない」と、海との接し方は慎重だ。

 ○…約30カ国の選手が集まるメキシコ大会の遠征費は自己負担。インターネットのクラウドファンディングで支援者を募る。「志を同じにする仲間と出会えるのが楽しみ」と瞳が輝く。「出場を機にライフセービングの認知度を高めたい」という思いも胸に、6Kmと21Kmの長距離レースに挑む。

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