創業50周年を迎えた株式会社カトーの代表取締役会長を務める 加藤 和男さん 中井町遠藤在住 69歳
「顧客第一」貫いた半世紀
○…社屋の屋上看板に掲げる「スーパーディーラーKATO」というキャッチーな社名は、中井町民にとってすっかりなじみ深い存在になった。創業から半世紀を迎え「お客さんと従業員のおかげで今がある」と、会社の成長を支えた2つの財産に感謝する。
〇…4人兄妹の次男として生まれ、15歳で秦野市の自動車整備工場に勤務。「残業が続き、心配したおふくろが毎日のように迎えに来てくれた。寡黙だった親父の一言にも、何度勇気づけられたことか。面と向かってありがとうなんて言ったことはないけれど、両親に恩返しがしたい一心だった」。東京五輪のほとぼり冷めやらぬ昭和41年、17歳のときに弟などと従業員3人で念願の起業を果たす。時はまさにモータリゼーションの夜明け前。夢への一歩を踏み出すには、この上ない潮目だった。
〇…金策のために銀行を回る際は、油まみれの手を石鹸で何度も洗い、真新しいつなぎに着替えて臨んだ。「でも、20歳そこそこの若造なんて相手にしてくれなくてね」。会社経営の厳しさには幾度となく直面したが、それでも貫いたのは顧客第一主義。愚直なまでに地域に根を下ろした商売が、今日にわたる数世代の付き合いを生んだ。
〇…車屋一筋から多角化を進め、現在は不動産や運送、システム開発なども手掛ける。なかでも、太陽光発電による売電事業を新しい収益の柱と位置付ける。「とにかくじっとしていられない性格」を武器に、100年企業に向けて選択と集中の経営手腕を振るう。
〇…「K」をあしらった会社のロゴには強い思い入れがある。「縦の棒が親父、『く』の部分が3本のストライプになっているのは、兄貴と私、弟の絆を表しているんです」。このストライプが、今年からもう1本増えた。「4本目は、共に会社で働くことになった娘のお婿さん。会社は家族のようなもの、そんな思いを込めたロゴですから」
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3月29日