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大磯・二宮・中井 人物風土記

公開日:2018.10.12

海の見えるホールで中世古楽コンサートを開いている
中村 会子さん
札幌市在住 36歳

中世古楽の魅力伝える

 ○…クラシック誕生前のヨーロッパで演奏されていた「中世古楽」の第2回コンサートを、9月に大磯の海の見えるホールで開催。「気楽に聴ける演奏会を目指していたので、客席の反応も良く、私たちも楽しめました」と手応えを感じている。

 ○…東京都出身。家がクリスチャンだったため、毎週教会で歌うなど音楽は幼い頃から身近な存在だった。ところがピアノを習っても「楽譜通りに演奏せず自己流でアレンジ」、合唱団に入っても「自分の歌いたい曲の楽譜を勝手に持ち込む」などこだわりが強く「扱いづらい生徒だったと思います」と苦笑する。小5の時に中世古楽に出会い「ほぼ将来を決めた」。進路選択で留学も考えたこともあったが「本気なら日本でも勉強できる」と周囲に諭され、アルバイトで受験費用を貯めて西洋古楽コースのある音大へ入学。リコーダーやチェンバロをはじめ様々な楽器に触れ、特別給費奨学生として英国で古楽を学ぶ機会にも恵まれた。

 ○…卒業後、ハーブ製品メーカーに勤めながら音楽活動を始めようとしていた矢先、交通事故に遭った。後遺症の療養のため札幌に移住するも中世古楽への思いは変わらず、大学時代の友人と札幌や東京で演奏会を開くようになった。また毎年西欧で行われる講習会にも参加して古楽への理解を深めている。「中世古楽は和音が純正で、民族色の強い旋律が魅力的。歌詞や音程しか書いていない当時の楽譜を、文献などを元に現代の音楽家である私が復元すること」にロマンを感じている。

 ○…家族が住む大磯が今の故郷。「大磯は気候が良く、静かで、雰囲気が落ち着く。音楽への関心も高い。演奏会だけでなく古楽器を演奏するワークショップなども実施していきたい」と新たな目標を掲げ微笑んだ。

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