制作活動の集大成として絵画と陶芸の作品展を開く 加藤 泰広さん 大磯町東小磯在住 76歳
制作活動 ひたむきに楽しむ
○…「小さくてもイイものはイイ展」と題し、アクリル画と陶芸の個展を平塚駅北口にある元麻布ギャラリー平塚で11月8日(金)から13日(水)まで開く。「小作品ですが、これまでの制作活動の集大成」と位置付ける。「光や風、音、匂い、人生の喜びや悲しみを感じられるような絵を描きたい」
○…東京生まれの大磯育ち。転勤先の大阪で「ひょいと覗いた」教室で陶芸を始めた。大磯へ戻った35年前、庭に窯を設け、志野焼や信楽焼などの作陶に励む。先月開催された「大磯うつわの日」では、食卓を楽しくする器を出展した。アクリル絵の具と出会い、油絵から転向した絵画制作でも「徹底する」性分を発揮。平塚の絵画教室オクトアトリエに通い、様々な技法を習得した。「表現の幅が広がり、対象を見る目も変わった。光の当たり具合で水やガラスにも影があると分かった」。水面のきらめきや揺らぎ、女性の肌の質感を描いた作品は、グラビア写真のようだ。
○…全日本アートサロン絵画大賞展で2017年から毎年入選を果たす。木陰で愛犬とたたずむ妻を描いた「妻のままで夏(たった一人の友達)」は、今年の同展で東京都知事賞を受賞。作品の中の空間を指し示して「絵には主張がなければいけない」と語る。
○…ベンチャーズに刺激を受け、大学時代にバンドを組んだ。現在は3つのバンドに所属。合唱団にも入り、長年歌い続けた。認知症を発症した妻に寄り添うため、「自分のペースでできる」陶芸と絵画を趣味の中心に。気さくな人柄で甘党。旺盛な好奇心とチャレンジ精神の持ち主でもある。玄関に並ぶ置き物は、退職後にピースボートで世界を一周したときの土産。「時間を売ってほしい」というほど、もの作りの日々を楽しむ。
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3月29日