美術団体「横の会」を結成し、平塚市美術館で展覧会を主宰した 小泉 正彦さん 大磯町高麗在住 66歳
アートで平和を象る
○…昨年12月に美術団体「横の会」を結成。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続いている中、「世界で唯一の被爆国である日本からアートを通して平和宣言をしよう」と、7月3日まで平塚市美術館市民アートギャラリーで展覧会を開いた。「『横の会』というのは、あらゆるものの上下関係を取っ払い、横に並んで平和を唱えたい、という思いから命名した」と、会と展覧会に込めた思いを語る。
○…平塚市出身。父がセミプロの画家だったことから、幼少期から美術に馴染みが深かった。彫刻への興味から、憧れの日本を代表する彫刻家・佐藤忠良が当時在籍していた東京造形大学へ進学。「『習い事は一流に習え。まずはその人の型にはまり、そこから抜け出てこなければならない』という師の言葉を、今でも常に意識している」と話し、半円型の枠に人体の彫刻をはめ込むなど、独自の表現方法を模索する。「大切にしているのは、伝統の中で生まれたものにちょい足しすること。本来の品格を損なわないようにね」と意気揚々と話す。
○…現在は作品制作や個展を中心に活動している傍ら、大磯に美術教室「現代具象彫刻研究所」を構え、造形美術を教える。妻と2人で暮らす大磯は「避暑地でゆったりとした町。文化人も多くうれしい」と地域愛をにじませる。彫刻のみならず、油絵でも多数の入賞歴をもち、澤田美喜が描いた絵の修繕を引き受けたことも。「油絵と彫刻の両刀使いなんです」
○…展覧会では絵画や彫刻など、様々な手法の作品が一堂に並んだ。「作家たちが精一杯、美術に向き合ってできた結晶であることを感じてもらえたらうれしい」。紡がれる言葉には、純朴な芸術家の真摯な願いが込められていた。
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3月29日