大磯町左義長保存会の会長を務める 二梃木 政義さん 大磯町大磯在住 67歳
地域の伝統を次世代に
○…コロナ禍で2年にわたり中止が続いた左義長。今冬、3年ぶりの復活に「協力してくださる皆さんのおかげ。まずは3年前までやってきたことを元通りに再開して、けがなく無事に催したい」と意気込む。子どもたちの健やかな成長を願い、地域で400年にわたり受け継がれてきた伝統行事。「共通の思い出が人と人、地域のつながりを育む。それを毎年積み重ねていくことで、伝統を次の世代へつなぐことができれば」と願う。
○…大磯の下町で生まれ育った。学生の頃は、当時流行していた鳩レースに熱中。飼っていた伝書鳩が北海道から1000Kmの旅を終えて帰還したこともあり、「いつ帰ってくるかわからないので、ずっと屋根の上で待っていた」と懐かしむ。今も鳥が好きで、文鳥に愛情を注ぐ。塗料メーカーで47年勤め上げ、定年を迎えたタイミングで左義長保存会の会長に推された。
○…漁師をしていた祖父や父が手伝っていたこともあり、左義長は身近な行事。父が亡くなってから本格的に関わるようになり早30年を迎えた。近年は担い手の高齢化による人手不足や材料費高騰などの問題があるが、寄付や小中学校の授業で取り上げられるなどの光明も感じている。「若い移住者やSNSの呼びかけに応えて地域の外から手伝いに来てくれる人もいる。地区同士で助け合うだけでなく、より広く協力を求めていくことも必要」と先を見据える。
○…健康の秘訣は、歩くこと。「なるべく1日1万歩以上歩くようにしている」。若い頃は町の駅伝に出場したことも。以前は夫婦でゴルフに出かけることもあったが、最近は4人の孫と遊ぶことが楽しみ。「3年ぶりの左義長を、ぜひ孫たちにも見せてあげたい」と顔をほころばせた。