小田原・箱根・湯河原・真鶴
公開日:2012.10.06
引き上げたのは大切な命
漁師親子が中学生を救助
市内で刺し網・釣り船「藤八丸(とうはちまる)」を操業する漁師の親子が9月19日、人命救助に活躍した。
同船を操るのは江戸・幕末頃から代々続く漁師の5代目、鈴木喜一さん(64)と6代目の大助さん(31)親子。風が強く波が高かった当日の夕方、伊勢エビ漁の網を仕掛けに海へ出た。小田原漁港を出港し御幸の浜沖を通りかかると、浜で手を振る人が数人。「子連れなど手を振ってくる人は多く、その時は特に何も思わなかった」と大助さんは振り返る。しかし網を仕掛け終わっても手を振る人の姿があった。「何かおかしい」と瞬時に漁師の勘が働いた。辺りを見渡すと、60mほど離れた所に溺れる人の姿が目に入った。急いで船を寄せ、漁で使うウキを投げ引き上げた。疲れ切ってはいたが、意識ははっきりとしていた。港へ帰ると救急車や消防車が到着し、一時辺りは騒然となった。沖に流されていたのは市内の中学生。友人4人で御幸の浜に泳ぎに来ていたという。「たぶん離岸流につかまって岸に戻れなくなったのでは」と喜一さんは推測する。
漁師歴40年の喜一さんは過去にも2回流された人を助けたことがある。そのうちの1人は真鶴沖で発見。江の島から一昼夜流されたサーファーで、疲労と脱水症状、塩で気管支をやられ、数週間入院することになったという。「運良く、たまたま通りかかっただけ。大事に至らなくて良かった。波の高い時には海に近づかないでほしい」と海を熟知する鈴木親子は呼び掛ける。
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