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小田原・箱根・湯河原・真鶴 経済

公開日:2026.01.01

小田原箱根商工会議所会頭インタビュー
持続可能なまちづくりに次世代の活躍を

  • 鈴木悌介会頭

    鈴木悌介会頭

 2026年を迎えるにあたり、小田原箱根商工会議所 鈴木悌介会頭にインタビューした。

※  ※  ※

 --昨年11月の役員改選で会頭に再任されました。改めて抱負をお聞かせください。

 「地域の総合経済団体としてこれまでやってきたことを継続しながら発展させる。さらにスピードを上げて取り組もうと考えています。役員・議員は若返りが進み、また少しずつですが、女性にも活躍いただける体制になってきたと思います。皆さんそれぞれに豊富な経験や発想をお持ちですから。次代を担う方々がもっと自由闊達に活躍できるような環境、体制を整えていきたいと考えています」

企業のニーズを細やかにサポート

 --経済を取り巻く環境の「不確実性」が高まっています。中小企業はどう対応すればよいでしょうか。

 「気候変動、日本の政治、トランプ氏の動向、国際的な紛争などあらゆる面でさらに不確実性が増していると感じます。政治と経済は密接に影響し合っています。経営者の一人として私が関わってきたこの40〜50年近くの中では、今は一番の不確実な時代だと思います。我々中小企業が、一つは、物価高騰や人手不足といった目の前の環境変化に迅速に対応すること。もう一つは、少し先を見た事業展開を考えていくこと。会議所としても、この二つの面でどれだけ会員のお役に立てるかが重要です」

 --会議所の具体的な支援策について教えてください。

 「経営には『資金』も不可欠です。補助金、助成金、融資など情報提供から申請まで細やかなサポートを心がけています。小規模事業者の無担保融資である『マル経融資』については、全国トップクラスの実績を上げ日本商工会議所から表彰されました」

 --人手不足へ対策の一つとして、昨年9月に短時間アルバイト紹介アプリを運営する(株)タイミーと連携協定を結びました。狙いは何ですか。

 「直近での人手不足の対策として有効な仕組みですが、それだけでなく、長期雇用や正社員採用につなげるツールとしても使えます。タイミーには1千万人以上が登録しており、中小企業がこの層にリーチできることは大きなメリットです。それと並行して、経営人材に近い知見を持ったいわゆる『副業人材』を活用できるメニューも充実させています。30代・40代の現役バリバリの社員、大手企業の50代以降、大手商社等の国際経験豊かなOB・OGといった外部人材が、会員企業のニーズに応じて選べるスキームです」

 --外部人材を活用するポイントは何でしょうか。

 「外部からの人材を活用すると同時に、既存社員の育成に力を入れてほしいと伝えています。ノウハウや人脈を早く自社に移植させ、会社の組織力を高めるためにうまく使ってもらいたい」

若手活躍支援

 --新たに「地域でがんばる若手顕彰」を始められました。狙いは。

 「会社が有名でなかったり、先輩社員との年齢が離れていたり、同年代の同僚がいないなどの環境下で、不安や孤独感を持ちがちな若者に『あなたの仕事は素晴らしいよ、あなたの会社はこの地域にとって大切だよ』と感じてもらえる機会をつくりたいと企画しました。そう実感できることがあれば、頑張れると思います。また経営者への啓発という目的もあります。ともすれば経営者は社員について、社外では『なかなかいい人材がいない、採れない』と自虐的に謙遜したり、社内では社員の不足している部分ばかりをつい指摘しがちです。長所を見つけて褒める、将来への期待を伝えるといった社員育成への意識を高める気付きの場になればと思います。将来的に、がんばる若手顕彰の受賞者同士がつながって、地域の力となってもらえることを期待しています」

地域資源生かしたまちづくりを

 --会頭再任の際にポイントに挙げた「まちづくり」について、改めてお聞かせください。

 「会議所にとってのまちづくりは商売がやりやすくなる環境整備で、人とお金を呼び込んでお金を回すことが目的です。このエリアには有望な地域資源があります。例えばスポーツ。ゴルフ場で家族も参加できるイベントをこれまで2回開催しています。昨秋には城山陸上競技場でのラグビー公式戦に合わせ商店街と連携し、観戦に来た方に小田原駅前のお店を利用してもらう企画も実施しました。相模湾という海も有力な地域資源です。2018年から相模湾沿岸の14の商工会議所、商工会による勉強会を重ねており、今年3月に『海を活かしたまちづくり』の提言書を県や国、行政、そして一般市民に向けて出す予定です」

 --今後、具体化する上での課題は何ですか。

 「スポーツを通じたまちづくりを実現するには、既存のスポーツ団体に、行政、観光、会議所を含めた経済団体等が連携・協力するプラットフォーム、いわゆるスポーツコミッションが必要です。もともとスポーツが盛んな小田原という強みを活かし、横に繋ぐことでさらなる有機的な動きができるはずです」

 --会議所では、経済団体として行政への要望や提言を行っています。現状注目している点は。

 「小田原市の総合計画を見ると、経済政策が弱いと感じています。確かに行政(市役所の帳簿)の財政は厳しいかもしれませんが、経済圏としてのこのエリア全体を見ると異なる絵が見えてきます。この地域に投資をしたい企業はたくさんあります。施設をつくる際も、外部から人やお金を積極的に引っ張ってきて、その上で地域にプラスになる、つまり地域でお金が回る運営の座組みをつくるべきです。『お金がないから新しいことができない』では何も始まりません。行政には全体を見通す構想力を持って、アイデア・ノウハウ、資金、人材が豊かな民間の力を上手に引き出して、地域経済全体が潤う仕組みづくりを推進してもらいたいです」

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