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小田原・箱根・湯河原・真鶴 教育

公開日:2015.03.14

”3足のわらじ”履きこなし
小田原高定時制の卒業式

  • 不登校を乗り越えて高校を卒業した早坂さん

 「昼間働き、夜学校に行くことに始めはとまどいました。仕事で出席日数をかせげず、イライラしたこともありました」――。

 3月6日午後6時。県立小田原高校(大嶽真康校長)で、定時制課程の卒業式が挙行された。制服ではなく、スーツや華やかなドレスに身を包んだ卒業生は41人。代表してあいさつした生徒会長の早坂慎吾さん(20)は、かつて登校拒否やひきこもりを経験した1人だ。

***

 「先輩というだけで威張るのはおかしい」。中学入学後、違和感を覚えた上下関係。上級生との関わりがうまくいかず、夏休み前には学校へ行かなくなった。

 毎日家でテレビゲームなどに明け暮れ、友人との連絡も途絶えた。月日が流れるばかりで、勉学や部活に励むことなく迎えた中学卒業。「勉強もしていないし、人とも話していない。高校なんかいけるわけがない」。自分に自信も失い、進路は未定のままだった。

 実家は父が営む塗装店。仕事を手伝うこともあったが、卒業から1年過ぎても生活に変化はなし。「親の仕事を継げばいいや」と、将来について楽観的に考えていた矢先、頼りだった父・直敏さんが倒れた。一命をとりとめたが、復職はできずに廃業。これを機に、人生に真剣に向き合いはじめ、高校進学を決めた。

 朝7時から午後2時まではスーパーマーケットでアルバイト。帰宅後は食事の支度や散歩の付き添いなど父の介護を手伝い、5時30分から8時45分まで学校に通う日々。ひきこもり生活が長く、入学当初こそ級友との会話に困難も感じたが、職場で培ったコミュニケーション力を活かして友達の輪を広げた。積極性も芽生え、「皆の手本になりたい」と生徒会長に就任。「人と話すと知識の幅も広がる。働きながら学んだ高校生活の意味は大きかった」。今後は、アルバイト先で正社員として働くことが決まっている。

 定時制課程は一般的に4年制だが、単位制の同校では短縮して3年間で卒業する生徒が多数を占める。日中の勤務先は箱根の旅館やホテルが多いという。

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