小田原駅周辺の公民館やお店を会場にした本の市、「小田原ブックマーケット」が6月23日に開催された。雨天にもかかわらず市内外から大勢の人が訪れ、各会場で配布された地図を片手にまちなかに点在する「本屋さん」をめぐった。
南町在住のフリーの編集者、牛山惠子さん(50)が2013年に企画し、今年で5回目。出店者の数は年々増え、今年は緑公民館、旧三福、平井書店の3つの会場に37組が参加した。
最年少の出店者は三の丸小学校に通う5年生の山田茅穂さん。昨年お客さんとして訪れたことをきっかけに、今年は店主に挑戦。元気な女の子が飛び回る本が特に好きで「来てくれた人と好きな本の話題で盛り上がれて楽しい」と目を輝かせた。藤原みかんさん(29)と西村理紗さん(29)は小田原高校時代の同級生。2人とも初めての出店で、西村さんは「自分が読んだ本を選んでもらえると、うれしいですね」と話した。
ほかにも「まちなか会場」として、美容室や飲食店17カ所でも店主がこだわりの本を並べる「小さな本屋さん」がオープンした。錦通りのフレンチ食堂イットクには、小田原や湯河原のシェフたちから集められた料理の本がずらり。salon TANAKA(栄町)には、この日のために店主自らが取り揃えたオカルト漫画が並んだ。また、mame元café(栄町)では真鶴町の三木葉苗さんが描いた絵本「すずちゃんののうみそ」の原画が展示された。
最初は4、5人からスタートしたイベント運営のボランティアスタッフ「しおり隊」も、今では18人に。学生から50代まで、年齢も職業もさまざまだ。1回目は出店者として参加し、2回目からはしおり隊として関わる磯部いとよさん(43)は、「本を介していろいろな人と知り合いになることができました。思いを共有できることも醍醐味ですね」と笑顔で語った。
本をきっかけに、たくさんの出会いを生み出す小田原ブックマーケット。牛山さんは「まちなか歩くことで、今まで見たことがない街の表情にも出会ってもらえたら」と話す。街にも人にも物語があり、思いがけない出会いが世界を広げていく。それは、本との出会いに似ているという。「ブックマーケットは年に一度のお祭り。好きな場所を発見して、また小田原に来てもらえたら」と声を弾ませた。
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