素人だからこその親近感 住民主体の介護事業所

社会

掲載号:2019年10月5日号

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笑い声が絶えない「わかがえる」
笑い声が絶えない「わかがえる」

 ママ友やサークル仲間でつながった市民らが、有償ボランティアとして小田原市南鴨宮で運営する介護事業所「わかがえる」(五十嵐尚美代表)。スタッフの素人ならではの親しみやすさが好評で、週一度の開催日を待ち望む利用者も多い。開設から丸3年が経過し、10月6日(日)には活動を発展させるべく規模を拡大したイベントを初開催する予定だ。

 「ずっと話が止まらないほどおしゃべり好きな人ばかり。裏を返せば、話し相手を求めているのかもしれない」

 6年前に民生委員児童委員に就任した五十嵐さんが、一人暮らしの高齢者宅の訪問活動で感じたことだ。引きこもりがちな人も多く、寂しい日々を過ごしていることが想像されるなか、「人生の最後まで、高齢者の方が良い思い出を残せる手助けができないか」と悩んでいた。

 そんな折に知ったのが、「日常生活支援の住民主体型サービス」。小田原市指定の研修を受け、要件を満たすと介護サービスを提供できる市独自の取り組みだ。五十嵐さんは地元の酒匂・小八幡・富士見地区のママ友やサークル仲間を誘い、これに申請。3年前、高齢者が集う憩いの場をめざし、知人の店舗の空き時間を活用して「わかがえる」を立ち上げた。

 編み物や書道など提供しているプログラムは、特技をもつ地域住民の協力によるもの。麻雀やトランプを楽しむ人も多く、事業所には笑い声が絶えない。

 五十嵐さんが運営上で一番大切にしていることが、「心通う会話」。必要以上にへりくだったり、高齢者扱いしないからこそ、自然と会話を楽しむ雰囲気も生まれる。「『今日は体調が悪い』と言っていた方が、帰る時にはピンピンしている。人と会話する効果ってすごい」。利用者の山本貞子さん(80)も、「家では音楽を聴いて過ごすことが多いので、ここで皆とお話できて楽しい」と嬉しそうだ。

 母を8年前、父を2年前に亡くした五十嵐さんは、「どれだけ親孝行しても、やっぱり後悔はある」。スタッフの平均年齢は50代で、その多くが親の介護や看取りの経験者。利用者が自分たちの親世代にあたるのも、より親近感をもって接することができる要因だという。



 明日6日の「わかがえるフェスタ」は、より多くの高齢者の生きがいをうみ、地域のつながりを育むことが目的。皆で楽しむ歌や踊りのほか、薬剤師らによる健康相談もある。会場は生きがいふれあいセンターいそしぎ(小田原市酒匂)。午後2時〜。参加無料。(問)五十嵐さん【電話】090・9135・4756 
 

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