2019年プロ野球ドラフト会議が10月17日に都内で開かれ、国際武道大学4年の勝俣翔貴選手(箱根町宮城野・小田原足柄リトルシニア出身)がオリックス・バファローズから5巡目で指名を受けた。
箱根町から初のプロ野球選手が誕生する。この日は午前に秋季リーグ最終戦を終え、午後5時にスタートした各球団の指名の行方を野球場で仲間と共に見守った勝俣選手。終盤に差しかかった6時46分にオリックスから5巡目で指名を受けると、同大の岩井美樹監督から「プロに順位は関係ないぞ」と早速エールを送られ、緊張した面持ちで記者会見場に姿を見せた。
「何が起こっているのか実感がないけれどうれしい。ここからがスタートライン。日本を代表する選手になりたい」と素直な気持ちを表現する。続けて、球団の印象を問われると「吉田正尚さんをはじめ、お手本のような選手がたくさんいる。自分も早く練習に加わって勉強したい」と胸をふくらませた。
最初の報告の相手は両親。「野球を始めてからサポートし続けてくれた。今日、少し親孝行ができた」。先の台風19号で被害を受けた故郷の家族や仲間の話題に及ぶと自ずと表情が引き締まり、「実家は大丈夫だと聞いているが、家族や地元の仲間には直接会って『選ばれたよ』と報告したい」といち早く地元へ元気を届けるつもりだ。
悔しさバネに努力の4年間
思い起こせば4年前。東海大菅生高校3年時に憧れのプロの世界を志し、国内12球団から指名を待ったが叶わず。夢を追い、進学した後、国武大では1年春から三塁手としてレギュラーに定着すると2年、3年時には全日本大学選手権で準優勝。高校、大学と侍ジャパンにも選出され、国際大会にも出場し、経験を積み上げた。あの時の悔し涙を「一度も忘れたことはなかった」と、何事にもひたむきに取り組み、4年越しでプロ入りへの思いを結実させた。
会見後、待ち構えていた同級生により二度、三度と宙を舞った22歳の目標は「新人王」。いずれ菅野智之投手(巨人)や千賀滉大投手(ソフトバンク)などの日本球界を代表するエース投手との対戦も心待ちにしながら、憧れの世界へ突き進む。
ドラフト会議をテレビの前で見守った母・文子さんは「4巡目を過ぎたあたりから不安がよぎったが、名前が呼ばれた時はホッとしました。厳しい世界に入ることになったこれからがまさにスタートです。(球団の本拠地が大阪で)さらに遠くに行ってしまって少し寂しい気持ちもありますが、家族はみんなで応援します」と語った。
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