今年のゴールデンウィーク(GW)の箱根町内は、閑散としていた。箱根町観光協会(箱根DMO)によると、例年GW期間中は約80万人が訪れるが今年は1割以下という。みやげ物店などが連なる箱根湯本駅周辺には人影がまばらで、休業の知らせを告げる張り紙が張られた店が目立った。
「今は神奈川に来ないで」。GW前、黒岩祐治神奈川県知事や山口昇士箱根町長は来訪を自粛する呼びかけを行い、新型コロナ感染拡大防止のための協力を広く求めた。町内の宿泊施設265軒のうち約80%が休業した。箱根関所や各美術館など観光施設、スポーツ施設も休業。箱根ロープウェイ、芦ノ湖の観光船は運転を休止し、特急ロマンスカーはGW期間中を運休にした。元箱根や大涌谷など、町内20カ所の駐車場は閉鎖もしくは一部閉鎖された。町内ホテルの担当者は「過去幾度と困難な状況はあったが、一番つらい時期だと思う。お客さまをきちんとおもてなしすることができるようになったときのために、周辺の整備など今だからこそできることに取り組んでいる」と前を向いた。
車通行量も激減
小田原早川から湯河原峠などを結ぶ有料道路アネスト岩田ターンパイク箱根の通行車数も激減した。管理する箱根ターンパイク(株)によると、例年GW期間中は約4万台の利用が、今年は8〜9割減という。「当社でもホームページや掲示物で呼びかけを行った。自粛の取り組みがこのような結果につながったと思う」と話す。箱根DMOの佐藤守専務理事は「コロナ収束に向け、観光地としては断腸の思いで来訪を控える呼びかけを町長自らが行った。GW期間中の光景は、観光事業者も苦しい中取り組みを行った結果だと思う」と話した。
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